■■ Prologue
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  函館市大火復興小学校
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  東京市震災復興小学校
essay bibliophobia Nuclear  
  福島第一原子力発電所における想定津波高さの検証

# by finches | 2017-01-01 01:01
1008■■ 燻製




# by finches | 2015-02-11 10:32
1006■■ 燻製
1006■■ 燻製_b0125465_22174766.jpg


どこでも、ということはないだろう。
いつも、ということもないだろうが...。

日曜日たまたま訪れた開店直後のスーパーは既に買い物客で賑わっていた。
瑞々しい野菜、新鮮な魚、量り売りのブロック肉、そんなコーナーが設えられ、そのいつもと違う趣向に活気付いているようにみえた。
筆者もその雰囲気に釣られるようにベーコンブロックをカゴに入れた。

ベーコンブロックは燻し色をしていたが、切り口から冷燻だと思われた。
大きなバラ肉全体を薫煙したものをブロックに落とさなければこうはならない、即座にこれは使えると思った。
薫煙をかけ直せばもっと美味くなる、と想像も膨らんだ。

よく使うチップは、ナラ,クルミ,サクラ,ヒッコリー、このあたりが多い。
手元には温燻用にヒッコリーとリンゴ、 冷燻用にクルミとナラがあった。
それらからヒッコリーを選んだ。

いつもよりもかなり長い3時間燻煙をかけた。
出来は上々。
厚めのベーコン、これを焼くとたまらなく美味い...。

# by finches | 2014-03-07 08:12 | 無題
1005■■ 古本屋
1005■■ 古本屋_b0125465_11275041.jpg


高校時代、街には3軒の書店があった。
それらは子供や学生から大人までが利用する街では大きな書店で、いつも大勢の客で賑わっていた。
そして、これらとは別に雑誌を主に扱う店や、兎に角雑多な書籍で溢れている店や、古本や古書を扱う店など、それら小さな店と大きな書店とが程よい距離を保って共存していた。

その中でも一軒不思議な雰囲気の店があった。
その店はアーケードのある二つの商店街を繋ぐその中間辺りにあって、商店街の名前こそあるがアーケードのない、どこか裏寂れた雰囲気の漂う通りに面していた。

その店は通りを挟んで斜向かいに一対あった。
斜向かいに建つ二軒其々にどんな本が置いてあったかは憶えていないが、少なくとも片方には透明なビニールに包まれた怪しい本が並んでいた。

あれから長い年月が流れ、怪しい片方は昔の面影を残す錆びた看板をそのままに、店を閉じていた。
そして、一方は今尚現役の古本屋として、一人二人と少ないなりに人の出入りがあった。

初めて見るその空間はどこか懐かしく、まるで遠い昔にタイムスリップしたように感じられた。
蔵書を増やすために行き止まりになった通路を、行きつ戻りつしながら全てまわった。

そこはまるで図書館のようで、思わず店主に岩波文庫『大君の都』はないかを尋ねていた。
そして筆者は岩波の棚で見つけた『西田幾多郎歌集』を手に店を出た。

今、『大君の都』が手元にある。
その店で思わず尋ねなければ、手に入れることはなかったかも...。

# by finches | 2014-03-01 11:29 | 無題
1004■■ 雪
1004■■ 雪_b0125465_8471468.jpg


雲海からひとり頭を出す富士山を眺めながら、やはり富士は日本一の山だと思った。
一方でその厚くタイトな雲を見遣りながら、これが明日になれば地上に落ちてくる正体なのかとも思った。

一夜が明け今まさにその正体が雪となって降っている。
川面に消えてゆく雪を眺めながら、今朝は珍しく2杯のコーヒーを飲んだ。

亀島川は日本橋川から別れて途中桜川と合流して隅田川に注いでいる。
とは言っても桜川はもうないし、江戸時代そこにあった稲荷橋や高橋ももうない。

江戸時代、隅田川の河口の佃島辺りの海は江戸湊と呼ばれ、ここに全国から荷を満載した帆船が集まった。
そして、そこから小舟に積み換えられ、日本橋川や亀島川から更に奥の河岸へと運ばれた。

川面に舞い落ちる雪は江戸の風景を想像させた。
雪の中を往き交う人や舟の活気を...。

# by finches | 2014-02-14 08:53 | 季節