032■■ 点と線
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城東小学校が建つこっち側から、当時東京駅との間が外堀で遮断されていた光景に思いを馳せた。
東京駅を表側ではなく裏側から、つまり、こっち側から見ると一味違う歴史に気付いたりする。
例えば、この小学校ができた昭和4年にはまだ東京中央郵便局はなかったとか。
東京駅では精養軒が東京ステーションホテルを営業していたとか。

当時このホテルからはこっち側の外堀までが見通せたのだろうと思った途端、松本清張の小説 「点と線」 の一場面が浮かんだ。
そう、博多で起きた心中事件に不審を抱いた刑事が東京駅での目撃証言の嘘を見破るあの場面。
15番ホームに停車していた博多行き寝台特急 「あさかぜ」 に博多で死んだ男が乗り込むのを13番ホームから見たという目撃証言。
そして13番ホームから15番ホームを見通すことが出来るのは一日のうちで4分間しかないことに気付くクライマックス。

こっちとあっちを外堀が遮断していたが、遮るものがない光景を一枚の地図の中で想像した...。

by finches | 2009-05-19 08:16 | 記憶


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