060■■ 陰翳礼讃
060■■ 陰翳礼讃_b0125465_6542921.jpg工房・ギャラリー やぶさいそうすけ
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日曜日の夕方近くに根津から言問通りの緩い坂を歩いていた。
既に復興小学校4校を回った足は少し重かったが、知人が四月にオープンさせた 「工房・ギャラリー やぶさいそうすけ」 に向かって...。
以前は氷屋兼炭屋として使われていた二間間口の建物を少し手直ししただけというギャラリーは、素朴な設えの中にも若い女店主のこだわりが随所に隠され、ここを訪れる 「ひと」 と、ここに置かれる 「もの」 への心配りに溢れていた。

今日までこのギャラリーでは小迫愛子個展 「灯・此展-ココカラ」 が開かれている。
写真はその作家の作品の一つで自作のガラスをシェードに使った灯りだが、少し闇の暗さを残す室内にあって優しい澄んだ光を放っていた。

店主が出してくれた冷茶の器の渋い好みに感心し、作家が添えてくれた焼き菓子の美味さにも感心し、これからこの光と影の空間で営まれ育まれるであろう未来に礼讃した。
外と内の光が溶け合い、そして、この灯りが最も美しく映えるだろう時間の訪れを待てないことを惜しみつつ、 「やぶさいそうすけ」 を後にした...。



[補] 陰翳礼讃 (いんえいらいさん)
by finches | 2009-06-15 06:54 | 空間


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