139■■ 神田川 柳橋
139■■ 神田川 柳橋_b0125465_1332717.jpg

神田川に架かる第一橋梁を柳橋と言う。
この橋も震災復興橋で昭和4年(1929)にソリッドリブタイドアーチ形式で架設された。
この橋は形式が同じためか、永代橋をモデルにしたと言われている。

柳橋を眺めるには、対岸の両国側の隅田川テラスか、両国橋の上か、隅田川を行き来する水上バスの上からかが一般的だろう。
それらから眺める柳橋は小さなアーチ橋という印象が強く、トラス橋やフィーレンディール橋などの他の第一橋梁と比べると、いささか控え目でその印象も薄いかも知れない。
それは橋への興味や印象よりも、江戸時代にこの橋の名に因んで付けられた、花街の名としての柳橋の方が印象深い所為かも知れない。

だが、これが隅田川から眺めるのではなく、通りを歩いていて道の角を曲がって突然現れる柳橋の印象はまったく違ってくる。
確かに小さくかわいらしい橋に変わりはないが、それは永代橋を彷彿とさせる力強さを持って迫ってくる。
西に伸びる神田川の上の茜空からその色が失せ、続いて訪れる宵の時間と空間、そこに灯りがともり川の匂いと風の香りにふと気付く時、この橋はその最も美しい時を迎える。
その妖艶な世界の中で、昭和の初め、否、江戸の時間と空間へと引き込まれて行く...。

by finches | 2009-09-11 06:51 | 復興


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