何本もの線路が上を走っている。 両側のレンガ積の擁壁はいつ頃造られたものかは不明だが、レンガを見る限り近くにある東京駅のものと同じに思える。東京駅の開業が大正3年(1914)だから、このレンガもその頃のものだろう。 そして、鉄橋自体は関東大震災後に架け替えられたものと考えて間違いなかろう。 阪神淡路大震災後に、この鉄橋のようなピン構造の橋脚は頑強に連結補強されているのをよく見かけるが、ここではそれが見られない。 どうしてだろうと考え筆者なりの仮説はあるのだが、自信がないので書くのはやめておこう。 だが、この垂直加重だけを考慮したピン橋脚の足元は涼やかで、橋脚が故にそれらが幾つも林立もしくは繰り返される様は、シンプルにして無駄のない形がつくり出すリズミカルで軽やかな造形美を生み出す。 この鉄道橋に最も近い橋は外濠に架かる新常盤橋で、大正9年(1920)に架けられたアーチ橋は関東大震災にも耐えたが、その後の復興事業で拡幅され昭和4年(1929)に生まれ変った。(現在この橋は撤去され、新しい橋になっている) もう一つ、この鉄道橋の近くに常盤小学校という復興小学校があり、新常盤橋と同じ昭和4年に竣工している。 このように復興事業とは都市計画的帝都復興事業で、全ての道路、市電、橋梁、小学校等々の建築、そして都市基盤としてのインフラ整備が同時並行して遂行され、それらがまるで連鎖して一点で交わるように完成していっていることには只々驚かされる。 その陰にはこの複雑な帝都復興計画を立案し遂行した、優秀な人たちの存在があることを忘れてはならないだろう...。
by finches
| 2009-10-15 06:24
| 復興
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