171■■ 建築@原宿
b0125465_18252036.jpg

以前新宿から渋谷までを歩いてみたことがある。その時たった一度だけシャッターを切ったのがこの写真だ。
普通好きな建築に向かってシャッターを切ることはあるが、その時はそれと全く逆の気持ちでシャッターを押した。

新宿と言えば筆者の好みではない超高層ビルが林立しているが、中でも建築家・丹下健三の東京都庁と新宿パークタワーがその薄っぺらい偉容ならぬ異様を誇っている。そして昨年あろうことかその息子の手となる、モード学園コクーンタワーという醜悪な超高層が新宿西口駅前に完成した。
こちらは親父の手となる建物と違い、新宿に来ると否応なしに見える場所に建っているから始末に悪い。
以前友人が自分のブログに「デザインの必然性」と題して名古屋駅前のモード学園スパイラルタワーズを取り上げていたが、こちらも写真で見る限りに於いて筆者の好みではないが、設計者の技量が勝る分少しはましに思える。

さて、写真のガラス張りのビルに話を戻そう。戻ったところでこれについて書くこともないが、点でガラスを支持するドットポイント工法とストラクチャルグレージングというシーリング工法で出来ている、言い方を変えれば勇気がありポリシーがなければ誰でもつくれる建築の仲間だ。所謂紙を折ったり曲げて好きな形を決め、次に3Dを駆使してパターン化し、コンピューターで構造解析すれば誰にでもできる代物だ。上のコクーンタワーも同じ方法で出来ている。
最近はコンピューターが描き出したパターンを、あたかも自身のオリジナルデザインであるかのように称した建築を多く見かけるが、厭な世の中になったものだ。
それにしても、ガラスを下向きに斜めに傾けて使いうのだけは止めて欲しい、筆者は怖い。

この手のオールガラス張りのカーテンウォール建築の先駆けは、2002年に完成した泉タワーガーデンだろう。(醜悪な六本木ヒルズの先に建っている)
グリーンガラスを全面に使った泉タワーを初めて見た時は腰が抜けるくらいの衝撃だった。それは技術的には可能だとしても、それを実現する勇気に対しての衝撃だった。
今でも高速道路を走っていていつもこのビルにだけは目がいくが、これを実現するための様々な解析、新たな開発と提案、そしてガラスを使わせたらこの人の右に出る者はいないと言われる優秀な建築家であり技術者である一人の男と、そのチームの高度な技術力と勇気がこれらを実現したことに間違いはないだろう。

次回も青山に建つ建築を取り上げてみようと思っている...。

by finches | 2009-10-16 07:15 | 無題


<< 172■■ 吉村順三と谷口吉生の建築 170■■ 外濠 JR鉄橋 >>