江戸川小学校は復興小学校に続いて建設された改築小学校の一つで、昭和11年(1936)に完成したインターナショナルスタイルの小学校だ。 当時の牛込区の中で関東大震災後に木造校舎が残存し、後に鉄筋コンクリート造校舎に改築されたものに、山吹、鶴巻、早稲田、富久などの小学校がある。仮に復興小学校を第一世代とすると、これらは第二世代と言ってもいいかも知れない。そして、この江戸川小学校などは、鉄筋コンクリート造小学校の建設が終了を迎えるまでの第三次代と言えるかも知れない。 [注: 第一、第二、第三世代は筆者による分類で、建築史上認知された分類ではありません] 大正11年(1922)に小石川区林町小学校に於いて、東京市最初に鉄筋コンクリート造となる4教室が木造の既存校舎に増築され、これに続く小学校校舎の鉄筋コンクリート造化は、途中大正12年(1923)に起きた関東大震災によって復興事業にその計画は移行し、先ずは焼失した木造校舎の復興から第一世代の建設が始まる。 そして、罹災を免れた木造校舎も順次鉄筋コンクリート造校舎へと建て替えられていく、第二世代を迎える。 次にやってくるのが、昭和7、8年頃から終盤期にかけて建設され、連綿と続いた小学校建築の集大成とも言える第三世代で、それらは白亜の美しい姿を纏い最新鋭の小学校建築として東京市民の前に現れた。 初期に於いては小学校建築の設計は外部に委託されていたが、関東大震災により東京市による一括した設計・監理へと変わり、短期に復興事業を遂行する必要性から小学校建築の設計規格がつくられ、それに準じて建設は進められた。 このことは三世代を通して変わることはなく、中でも平面計画は最後までこの規格が順守された。 しかし、立面即ち外観のデザインに於いては、第一世代より設計者の才量に任されるところがあった...。
by finches
| 2009-11-08 07:10
| 復興
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