198■■ 小春日和の中
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ある復興小学校を見ての帰り、大樹の大きな陰に目が止まった。
それは小春日和の午後のことで、穏やかな陽光がつくり出したその影はアパートの白い壁にその姿を鮮明に写し取られていた。
その陰はその陰の主よりも大きく見え、まだ地上との角度を十分に残している太陽は、大樹の高さだけを強引に縮めてそのシルエットをつくり出していた。
その結果、そのシルエットはそのシルエットの主よりも均整の取れたプロポーションに矯正されて見えた。

この辺りは夏目漱石縁の地で、緩くつづく坂道や細い路地を歩いていると、往時の長閑な景色やそこを流れていたゆっくりとした時間に自ずと思いを馳せた。
冬の日は短い。しばしこの界隈での時間を楽しみたいと思いつつも、足は日向台に向かって急いでいた。

ある小春日和の日曜日、初めて都バスの一日乗車券を手に、かつての四谷、牛込、小石川区を歩いた時の話だ...。

by finches | 2009-11-13 07:34 | 無題


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