勝鬨橋の全長は246mあるが、その中央部の約45mが跳ね上げ式の可動橋になっている。 そして可動橋の両端に橋脚があるが、この橋脚と一体に橋の開閉操作をする為の運転室が2階に造られている。 この橋を動かす為の動力は電気で、交流を直流に変えて供給されていたが、その為にこの橋には右岸下流の橋詰に面して変電所が造られている。 また、この橋脚内には橋を開閉させる為の巨大なモーターやギアがあり、橋が跳ね上げられた時のこの橋脚内の動きを想像すると、巨大時計の歯車と歯車のように組み合わさって行われる複雑な動きによって、橋の根元が徐々に押し下げられて行く音は、跳ね上げられる橋の先端の軽さとは逆にさぞかし重く響いたことだろう。 写真はこの運転室の窓を撮ったものだ。 一日の終わりが近づき、夕日がこの運転室の窓に平行な光を射し入れるほんの短い間だけ、無人であるはずのその部屋はあたかも人がいるようにパッと幻想的な光に溢れ、手づくりの操作盤が照らし出される。 この橋が動くの止めて40年になるが、夕日は休むことなくこの橋に美しい影絵をつくり、運転室にはオートマタのように生気が蘇り、それを眺める人は知らずに至福の時を共有することができる。 そう言えば、'automata’の語源と言われるギリシア語の'automatos’には‘自らの意思で動くもの’と言う意味があるらしい...。
by finches
| 2009-11-29 06:45
| 時間
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