221■■ イノモト和菓子帖
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行きつけの店にこのイノモト和菓子帖はあった。
初め、背表紙に印刷された書名よりその字体に惹きつけられた。手元に取って見ると、その装丁からこの本の作り手の人となりが伝わってきた。
字体、デザイン、大きさ、厚さ、紙質、手触り、それらが心地よいバランスを保ち上品な一冊に仕上がっていた。

なかなか好きな字体を見つけるのは難しい。
カタカナは良くても漢字が気に入らなかったり、漢字は良くてもカタカナが気に入らなかったりする。
この本の字体はこの二つが程良く調和していて、この二つの調和が取れていれば仮名との相性も問題はない。
この字体を何というのかは知らないが、見たことがあるようでもあり、やはり初めて出合うもののように思う。

行きつけの店のカウンターの端に立てられた何冊かの中にこの本はある。
その席が好きでそこに座ると時々この本を取り出してはパラパラとページをめくり、自分の手元にも一冊と思いながらまた元の場所に戻す。
いつものように何を書こうかと写真を探していてこの一枚が目に留まったが、本当はいくら名前を覚えても忘れてしまう為に、ある夜忘れないために写真に残したものだ。

まだ読んでもいない本、いつもただパラパラとページをめくるだけの本、だけどお気に入りの一冊。
だが、この本のことを書こうと決めた後、直ぐに注文を終えた。
このお気に入りの本はきっと明日当たり手元に届くはずだ...。

by finches | 2009-12-06 07:01 | 無題


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