250■■ ヨーガンレールの蝋燭
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我が家の食卓に蝋燭が欠かせなくなって久しい。
気が付けば近頃は夕餉時だけになってしまったが、以前は朝昼夕餉と蝋燭の灯りが部屋の明るさに関係なく食卓にあった。
いつからか蝋燭の灯りが一日の終わりに感謝し、手料理と美味い酒をお供に会話を楽しみながら過ごす場に欠かせない大切な脇役となっていた。

ヨーガンレールの蝋燭、久し振りに好きな炎の蝋燭に出合えた。
油煙のない蜜蝋の炎の赤っぽい光は食卓に優しさを一品添えてくれる。
静止しているかのように揺らぐことのない炎からは、蜜蝋の純度とその芯が中心に正確にあることを通して、職人の確かな手仕事が伝わってくる。
蝋燭の色は蜜蜂が食べた蜜の中に溶け込んだ花粉の色だそうで、次の蝋燭はこれとはまた違う色であるのかも知れない。

昨年、初めてロウソク作りに挑戦した。
作りたいロウソクの構想とデザインのスケッチは既にあるのだが、それを作り出す技術が備わっていないところに問題がある。
今年こそロウソク作り教室に行って、最低限の技術だけは身に付けておこう。

エコや安全を謳ったものばかりを妄信しなくても、ちょっとした気遣いと工夫でスローフード(Slow Food)を中心としたスローライフは十分におくれると思う。
それは器や道具やこの蜜蝋の蝋燭のような、ささやかだが本物に囲まれた暮らしと生き方の選択の中で醸成されていくように思う。
今日の朝餉には蝋燭に火を点すことを忘れまい...。

by finches | 2010-01-13 07:21 | 嗜好


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