335■■ 桜と菜の花と蛙と田んぼ
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普段やり慣れない仕事と普段どころか全く初めて挑戦する仕事を無事に終え、遅くなった昼食をその町一番のお寿司屋でご馳走になり、その上たっぷりの旬の手料理をお土産にいただいて帰路についた。
昨朝向かう道すがら今正に満開の菜の花と桜を同時に楽しんだが、帰路についた道沿いにも菜の花と桜は咲き乱れ、里山も芽吹いた木々の中あちこちに山桜が更に色を添えていた。
正に「山笑ふ」季語の世界を満喫した。

すでに田植えを終えている気の早い田んぼもあったが、ほとんどの田んぼは代掻きを終え天気と気温の様子を見計らいながらベストな田植えの時期を今や遅しと待ち侘びていた。
そんな水を湛えた田んぼの其処彼処からは蛙の鳴き声だけが聞こえていた。

長狭街道に入るとそんな田んぼの長閑な景色もどこか今までとは違うような気がして車を止めた。
長狭米を産するこの長狭地域の中の主基(すき)の田んぼはかつて大嘗祭で使う米の栽培地に選定された歴史もあり、その由緒の正しさが米作りの誇りとなってどこか他とは違う田んぼの美しい景観までをも作り上げているように思った。

目指すは大山千枚田と呼ばれる棚田だったが、山に挟まれ中央を川が流れる東西に細長いこの長狭地域は南からの陽光を一杯に受け、見るからに美味い米が生まれそうな匂いを感じた。
久方振りに見た代掻きを終え一面水を湛え光り輝く水田と、まるでア・カペラの第九の合唱のような蛙たちの美声に、暫し時が経つのを忘れ見惚れていた...。

by finches | 2010-04-12 06:43 | 記憶


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