358■■ 風薫る公園
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子供の日を前にした連休中の公園は人と花で溢れていた。
つつじ、藤、しゃくなげ、牡丹、アイリス、一年を通して手塩に掛けてきた草木がまるでこの季節を待っていたかのように次々と咲き競うのを見ていると、そこには都会ではとても味わうことのできない風薫る五月があった。

葉桜に変わった桜、出番を待つ紫陽花、まだ葉は小さい柿など、みんな初々しく照るような若葉をいっぱいに付けていた。
菖蒲も今は目立たないが、見えない土の中では根を張り丈を少しづつ伸ばしながら、大きな花を咲かせる為の準備に余念が無いように見えた。
まだ少ないが睡蓮も花をつけ始め、その横では亀が気持ち良さそうに甲羅を干していた。

かつての炭鉱の櫓を再現した展望台に上がってみた。
眼下には水を湛えた大小二つの湖が広がり、まるで新緑の枝先をそこに突っ込んでいるかのように両者の境には丸みを帯びた蔭だけが続いていた。
展望台のある建物は石炭記念館になっていて、建物の外にも往時の掘削用機械や工夫を地底へと運ぶ自走トロッコなどが、何層にも塗られた分厚い塗装の衣を纏って置かれていた。

自転車で風を切りながら風の薫りを満喫する清々しさ。
この短く美しい季節を今少し心に焼き付けておきたいと思う...。

by finches | 2010-05-05 06:41 | 無題


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