364■■ 赤い彫刻と尾翼

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日曜の早朝、帰京のために空港までの道を歩いた。
家を出たのは出発の35分前、いつもなら車を呼ぶところだが荷物も軽く季節も天気もいいので、急ぎ足ではあったが気持ちのいい芝生が広がる公園を抜けてひたすら歩いた。
空港ロビーの入口に向かって最短距離を行くためにひたすら直進し、少し小高くなった芝山を越えると出発準備を終えた飛行機の尾翼が目に飛び込んできた。

出発まで後20分、なだらかな芝山を下りながら正面には尾翼、右には赤い彫刻があった。
少し時間の余裕を感じて右の赤い彫刻の方へ歩みを替え、透かさずカメラを取り出して撮影開始。
撮りたかったのはこの写真の反対側だったが、単色の金属のせいかオートフォーカスでピントが合わない。
仕方なく反対に回り台座の石にピントを合わせて漸くこの一枚を撮った。(設定を変えて撮る余裕がなく、台座に露出があっているので空が白く飛んでいる)

予定ではカメラを取り出して撮影が終了するまで、ものの1、2分のつもりだったがピントが合わないことに焦りながらも時間だけは経っていて、気が付くと出発の15分前だった。
尾翼は大きく見えていたが歩けども歩けどもその距離は中々縮まらず、段々と小走りになりながら何とか10分を少し切ってチェックインできた。

そんな慌しい日曜の朝だったが、出発時間を5分残して飛び立った機窓からは、今歩いて来た道と赤い彫刻が見る見る遠ざかっていった...。

by finches | 2010-05-11 06:07 | 空間


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