憂鬱な長雨が続いていたのが嘘のように明るい朝陽が射し爽やかな風を心地よく感じたのは2日前だった。 やはりあの日の朝の陽射しと風は紛れもない梅雨明けのものだった。 東京にいると急に増した照り返しと刺すような陽射しと暑さに梅雨明けを感じたことだろうが、自然は本格的に夏に突入する前に五月のような清々しくて爽やかな期間をちゃんと用意してくれているということに初めて気が付いた。 不思議なもので梅雨が開け空の色が一気に夏のものに変わった途端、一瞬だったが蝉が鳴いた。 そんな日曜日の朝久し振りに再開した家人と朝の公園に行った。 いつものように一羽の白鳥と数羽の鴨が橋を渡った所にいてうろうろ歩いている。 3切れ85円で買って来た食パンを早速千切って投げてやると美味そうに食べた。 家人は湖の白鳥を見ながらストレッチ、筆者は木陰を探して朝の一文を書いた。 梅雨の間はベンチに座ってラップトップの画面を見ながら文章が打てたが、梅雨が開けた途端空の明るさが変わり日陰に行かないとその画面も見えなくなった。 そのこと一つをしても空と空気全体の明るさが急変していることに改めて気付かされた。 昼は4種類のサンドイッチとトマトと凍らしたブドウとビールを持って再び公園を訪れた。 食事が終わると小さく切ったパンの耳でパンパンに膨らんだ紙袋に入った100円の餌を二つ買い求め、また懲りもせず白鳥と鴨と鯉に投げてやった。 そして帰り道、椰子の向こうの空はどこまでも高く青く広がっていた...。
by finches
| 2010-07-19 07:06
| 空間
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