484■■ 思いっきりの休日-垂涎の渓流

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朝日を後に走ること160キロ、高速を降りてからの25キロの一車線の狭い山道は二度と走りたいとは思わない道だった。
食糧を調達した小さな店でその山道への道順を聞くと、「どんな道か分かってますか」、と駄目押しのように聞かれ、思わず、「分かっています」、と答えて店を後にした。
遊魚券を扱うガソリンスタンドに立ち寄りそこで再び道順を確かめると、わざわざ道路を隔てた向こう側の人に声を掛けてくれ、そしてその人曰く、「車の免許を持っていれば走れる、スピードは出さないように」、との助言を受けた。

高所恐怖症でもある筆者にとって、その車幅2メートル以上は通行不可と書かれた道を走る気持ちは、只々対向車が来なければいいがとの思いだけで、その薄暗く狭い道に車を止めて景色を写真に収めるなどの余裕も、そんな気持ちにもなれなかった。
その山道を抜け初めて出会った人にその道沿いに流れる川の名前を聞いた。
すると、その川が正に目指していた川の渓流だと分かった。

山道に入る前のガソリンスタンドでこの辺りは八月末で解禁期間が終わり禁漁期に入っていると聞いたが、12月末までの年間パスを持っている身としては、山を越した向こう側では9月末までは禁漁になる筈がないと思い、正に気分はルンルンだった。

しかし、その川も幾山の向こう側と同じく九月から禁漁期に入っていた。
そして、吊橋から渓相も満点の美しい流れを空しく眺めながら、垂涎の溜息をついた...。

by finches | 2010-09-28 05:36 | 時間


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