495■■ 曹達の煙突と反射炉

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もっと高いものやもっと形の良いものはある。
高いものはそれだけそこから噴き出だれる煙が有害だということだろうし、形の良いものは戦前までに造られたものに限られる。
所詮煙突、只合理的に作られただけの長い筒に過ぎない。

だが、その煙突も他の様々なものと複雑に組み合わされると、なんだか人間の臓器の一部のように見えたりするから不思議だ。
心臓の脈動のように煙を噴き出しているものもあれば、水蒸気の帯を連続的に噴き上げているものもある、将又昼夜火が消えることなく燃え続けているものもある。

写真の一番左の煙突、この煙突に随分前から興味があって、いつか写真を撮ろうと思いながら、遠くから近くからそれを眺めて通り過ぎて来た。
この煙突に興味があったのは、その根元の部分に十二面体に見える巨大なボックスが付いている為で、この十二面体の中がどうなっていて、どうしてこの形でなければならないのか不思議でたまらなかった。

苛性曹達、即ち水酸化ナトリウムを扱う製造ラインの末端にこの十二面体があることはほぼ間違いない。
十二面体としなければならなかった理由も筆者の頭の中では想像出来ていて、恐らくそれで間違いないだろうとも思っている。

今日もしかしたら反射炉を見る機会があるかも知れない。
この十二面体と煙突の組み合わせを見ながら、反射炉の形と煙突のそれへと興味は飛んだ...。

by finches | 2010-10-09 07:22 | 無題


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