496■■ 白壁の町並み

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昨日とある海辺の町で開かれた歴史講演会に出席した。
この町のことは昔から知ってはいたが、最近まで町の中に入っことは一度もなく、況してやそこにどんな町並みがありどんな歴史をもっているかなど知る由もなかった。
ところが、ひょんなことからこの町に入る機会があり、そこに江戸時代の白壁の町並みが残されていることを初めて知った。

灯台下暗しとは正にこんなことを言うのだろう、その町並みを見た時の驚きを今も忘れない。
その町並みは漆喰で塗り込められた居蔵造りをなまこ壁と瓦がその上下を引き締めているような造りで、それに同じく白い土蔵や瓦を載せた白い土塀が重層するように見事な調和を見せていた。

そして、もう一つの驚きはこの町の歴史で、この遠浅な海をもつ港が何故か廻船業で栄えたという事実だった。
言わずもがな、それによって財を成した商人たちが残したのがこの白壁の町並みと言うことになる。
そして、昨日の話でこれら廻船業者の膨大な献上金が幕末を動かす潤沢な資金として使われたことを知った。

昨日の朝は、その倒幕運動の中心であった歴史的町並みの白塀の中を歩いていた...。
昨日の昼は、その倒幕運動を支えた港町の白壁の町並みの中を歩いた...。
昨日の夜は、筆者が唯一見ているテレビで、その倒幕運動の覇者の最期を見た...。

by finches | 2010-10-11 06:55 | 時間


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