507■■ メジロの死

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柿の実に群がっていたあの愛らしい柿泥棒の一羽が死んでいた。
その小さな体はまだ生きているかのように柔らかくて温かかったが、白い縁取りの中の小さな目はもう生き返ることがないことを告げていた。

柿の実を器用に食べるメジロは何とも愛らしく、その小さな姿を見つけるのには苦労したが、そのかわいい鳴き声は木全体から聞こえてきて、枝から枝へ実から実へこれもまた器用に移動する時にそこにいることが分かった。

一度その姿を見つけると、今度はじっとそれを観察するのに時間を忘れた。
実を食い散らす様に片っ端からつつく鳥もいるが、メジロは器用に嘴の先で実を丁寧にきれいに最後まで食べてくれる。
食べ難くなると別の実に移るが、熟れた実の数には限界があって再び先行者のいた実に移ると、今度は頭全体を実の中に入れながらも嘴以外は全く実に触れることなく器用に食べる。

柿の実が食べ尽くされてしまう勢いに些か心配したが、いつの間にかその木に集まる数も減った。
恐らくここ以外でも熟した実を思う存分食べられるようになったのだろう。
今では「チー、チー」と鳴くかわいい声が時折聞こえるくらいになった。

目白押しという言葉がある。
メジロが押し合うようにピッタリとくっ付き合って枝に並ぶ様子から生まれた言葉のようだが、今度は是非その姿も見てみたい。

今その小さな体は酢橘の木の下に眠っている...。

by finches | 2010-10-22 05:17 | 無題


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