552■■ 翡翠シーサー

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朝起きて雪が積もっているかとカーテンを開けたが、乾燥と寒気で硬くなった土粒の上には雪が氷のように固まったかのような結晶が、庭一面まるで撒いたように広がっていた。
この季節、庭からは生けるものの色が消え、枝に残った蜜柑や餌を探す雉鳩の羽色が寒々とした庭にあって、僅かにその景色に色を添えてくれる。

実家の玄関の横と庭の入り口には一対の小さなシーサーが置いてある。
このシーサー、かつて父が中国から買ってきた翡翠シーサーの類だと思われるが、これが家の中で置物として鎮座していた時は趣味の悪い安物にしか思えなかったが、ある日母が塵として捨てるために出しているのを見て、捨てられるのなら新しい使命を与えてやろうと考えた。

家の中では悪趣味な安物の置物でも、外に置くとそれなりの景色をつくるものだ。
玄関脇から奥、庭の入り口から奥、それらの境界を筆者は結界と呼んでいるが、その結界に一対の小さな翡翠シーサーを置くと、場所を得てなかなか様になる。

時折外は粉雪が舞っている、年が明けたら本格的な雪に変わりそうな気配だ。
雪が積もったらこの小さな翡翠シーサー、結界を守る使命も威厳も何処へやら、溶けた餅のように雪の中に姿を消すことだろう...。

by finches | 2010-12-31 10:40 | 無題


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