556■■ 碍子
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形、素材、機能、これらが「美」という一語を纏った瞬間、全く違う意味の世界が広がってくる。
ガラクタやゴミにしか見えないかも知れない碍子にもこのことはあてはまる。
ただの無機質な物体と碍子を見ている限り感じないことも、その中に小さく宿る「美」に気付いた途端、それはただの物体ではなく「もの」となる。

「もの」となると、必然性が求められた形、絶縁性能が求められた素材、安定した性能を維持する機能、それらに冠された形容は消え、そのものの中にある楽しさ、面白さ、遊び、侘びなど、新たにそれらの形容を纏った「もの」へと変わる。

「もの」には美が宿り、そう感じるともう碍子という呼び名自体意味も失せてくる。
さり気無く置いて楽しむもよし、文鎮代わりに使うもよし、実際に壁に付けて物掛けに使ってもよし。
やはりガラクタには違いないが、明治に建てられた工場にあった碍子、その時代のものかはさて置き、「もの」としての楽しさも然ることながら、遠い時代に思いを馳せることができることもまた楽しい...。

by finches | 2011-01-04 06:43 | 無題


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