557■■ 蜜柑

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一ヶ月前熟した柿の実には数十羽のメジロが集まり、その枝から枝に移る仕草や柿の実を綺麗に食べる仕草が何とも愛らしく、メジロのために柿の実を取らずに眺めて楽しんだ。
ところが、その熟れた柿の実を食べたいのはヒヨドリも同じで、こちらの方は一つの実を丁寧に食べずに食い散らかすために、筆者はパチンコを作って狡賢いヒヨドリを追い払う戦いを続けた。

年が明けた小春日和の午後だった。
冬の太陽が燦燦と差し込むそんな暖かい日は、窓を開け放って炬燵に入って過ごすのが気持ちいい。
正月だから炬燵の上には蜜柑も置いてある。
ヒヨドリにとって食べられる実の消えた冬木立の枝から眺めた炬燵の上の光景は、さぞや魅惑的に映ったことだろう。
気が付くと二つの蜜柑の横には嘴の跡がついていた。
あの宿敵ヒヨドリも、メジロのいない今は追い払うことはしない。

昨日と打って変わって今日は寒い。
太陽もなく窓を開け放つわけにもいかず、嘴の跡のついた二つの蜜柑を庭先に出してやると、見る度にその大きさは小さくなっていた...。

by finches | 2011-01-05 07:34 | 無題


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