558■■ 頌石
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海には無数の小石があるが、ある日偶然この石と出合った。
手ごろな大きさの形のいい石を探しながら潮の引いた海岸を歩いていて見つけたもので、既に二つの石を拾い持っていたが、この石を見つけるとそれらは海に返してやった。

石はただ置いて眺めたり、墨で顔を描いてみたりするのだが、この石を探していた時は漠然と蝋燭の型になるものを求めていた。
角のない卵のようなもの、スーパー楕円のようなものを探していて、他の石とは明らかに違うこの石を見つけた。

持ち帰ってみたものの、どうやって型を取ったらいいやら、どうやって蝋を流し込んだらいいやらと考えているうちに、何となく栗の板の上がこの石の場所になった。
板を船と見れば石は船橋に思え、板を台座と見れば石は妖しい光沢を持ったオブジェに思える。

これから帰り支度をして東京に戻るが、この石はこのまま床の間に置いて行こう。
そして、次に会うまでには蝋燭のイメージも固まっているだろう...。

by finches | 2011-01-06 06:16 | 無題


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