571■■ 夕日-一月
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眼底検査の目薬で瞳孔の開いた目には光が眩しく、検査から戻ってからも部屋の灯りを半分落として机に向かった。
南と西に大きな窓のある部屋は普段から明るく、朝ブラインドの羽を水平近くに開くと、そのまま灯りを点けるのも忘れて机に向かっていることもある。
夏などはその羽を少し上向きにし天井に光を反射させるようにすると、もう灯りなど全くいらないくらい部屋全体が明るい。

冬はその羽を水平よりほんの少し下向きに傾けることもある。
勿論水平にした方が明るいのだけれど、少し羽を下向きにすることで、机や床などへの反射が何となく直接的な光を柔らかくしてくれるような気がする。
瞳孔の開いた目でふと見ると、夕日がそんなブラインドの僅かな傾きをシルエットに変えて映し出していた。

それはまるで短い冬の日がその一日の終わりを告げる挨拶をしているようで、暫しその長く伸びた光と影に見蕩れた。
恐らく瞳孔の開いた目はいつもこの部屋で繰り返されていた情景を、いつも以上に感じ易くなっていたのだろう。
だからきっと、いつもより明るく感じた夕日がつくる影が、いつも以上に美しく感じられたのだろう...。

by finches | 2011-01-19 05:51 | 無題


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