614■■ 黒田小学校
614■■ 黒田小学校_b0125465_1105375.jpg


黒田小学校には謝らなければならない。
それは先週校了した復興小学校の分布地図で、あろうことかその位置がずれていたり、現存する中に入れていなかったりと危うく失態を演ずるところだったからだ。
位置に関しては自分の単純なミスだったが、現存しているものをそうではないと判断していたことについては少なからずショックを受けた。

昨日、そのことを確かめに黒田小学校を訪ねた。
黒田小を訪れるのはこれで3度目のことだ。
昭和11年(1936年)に完成したその姿を見ていても、1993年の新聞記事に掲載された戦前のモダンな校舎の写真を見るまでは、今の校舎が竣工当時のままのものとはやはり判断できないと思った。

小日向台地の崖線下に建つ黒田小学校がここに建設された当時、そのモダンな白い校舎はさぞ際立っていたことだろうと思った。
そのモダンが故に二度までもこの校舎の前に立ちながら、それが東京市による一連の改築小学校とは見抜けなかったのだと自分に言い訳をした。

行きは津久戸小(昭和8年)から江戸川小(昭和11年)の横を通り黒田小(昭和11年)に向かい、帰りは小日向台地の崖線に沿って東に歩き金富小(昭和11年)から再び飯田橋へと戻った。
黒田小脇の服部坂を登って行くと小日向台小(昭和13年)がある。
これら五つの小学校は既にその周りに建てられていた改築小学校と比べると、よりモダンな国際スタイルへと変化しており、その真っ白な校舎が点在する様はさぞや美しかったろう思った。

黒田小が竣工当時ものだと気付かなかったことで、改めてそこを訪れ様々なことを考えさせられた。
そして、今朝この小文を書くに当たり改めて様々と調べることに没頭した。
そして、この行きつ戻りつ、試行錯誤の繰り返しを通して、一つまた一つと新しいものが見えてくるのだと思った...。

by finches | 2011-03-06 11:04 | 時間


<< 615■■ 目白小学校 613■■ 甲武鉄道と永代橋 >>