629■■ 輪番停電
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輪番停電ということばを初めて知った。
広辞苑を引いてみると、輪番は大勢の人がかわるがわる順番にすることとあった。
だが、輪番停電は直ぐに計画停電ということばに改められた。
こちらの方が何やら計画的に物事を行うように聞こえるが、計画にははかりごと(謀)という意味もある。
輪番停電とはあくまで東電の符帳であり、対外的には計画停電と言うのだろう。

言われるまでもなく節電には努めているが、この輪番停電の対象エリアではなく電車にも乗らずに済んでいるせいもあって、幸いにも特段不便を感じることなく生活は送れている。
そんな中コンサートの中止を知らせる葉書が届いた。
その葉書には、東北関東大震災が起きたことで、収益を全額義援金として寄付するチャリティーコンサートに切り替えて行う予定だったようだが、計画停電の影響で会場のホールが当日閉館になったと書かれていた。

葉書の主であるピアニストにはコンサート中止の連絡からチケットの払い戻しへの対応まで、本来やる必要のない仕事の負担がのし掛かり、ピアノデュオのために準備したチケット、ポスター、プログラム、そして費やした時間など、その全てが徒労に終わった悔しさが残る。
しかしそれよりも、被災地に収益の全てを義援金として送ろうと、チャリティーコンサートに切り替え取り組もうとしていた気持ちまでが断ち切られ、それこそが断腸の思いとして心に深く残る。

大勢の人がかわるがわる順番にする輪番とは、皆が痛みや不便を負う意味を理解し、それを共有してこそ受け入れられるものではないだろうか。
だが、この度の原発事故による計画停電は、そもそも東電の傲慢体質がその発端にあることを、国民は決して許しても忘れてもならないと思う...。


[注記]
不眠不休、劣悪危険、そんな状況と環境の中で決死の思いで復旧作業に携わっておられる東京電力社員の方々には頭が下がる思いでいます。
拙稿で言うところの「東電」とは経済産業省からの天下りを含めた東京電力経営陣を指すのであって、一般の東京電力社員を指してのものでは決してありません。
by finches | 2011-03-26 03:51 | 無題


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