633■■ 津波想定高さ 02 -貞観津波
b0125465_18182271.jpg


先ずこれまで関東東北大震災という名称を使ってきましたが、その名称を今後は東日本大震災と改めたいと思います。

地震で散乱した書籍を片付けながら津波被害の初期報道をラジオで聴いていて、これまで東北地方を繰り返し襲ってきた津波の歴史に触れたやり取りに注意を惹かれました。
近年の研究によってその被害の実態が科学的に解明され、その結果は史実やこの地方に伝わってきた津波伝説や伝承とピタリと一致するものでした。
そして、津波による堆積物などの詳細な調査から当時の津波の高さが想定され、浸水区域から震源地とマグニチュードそして地殻変動の長さや範囲が計算され、それらを元に実際の津波を三次元でシミュレーションするところまで研究と解明は進んでいます。
当然、それらの研究は現実の津波対策、取り分け安全を最も優先すべき原発に於いては、その研究成果を真摯に受け止め今後の地震・津波対策に反映させる責任があったと思います。

前稿で触れたように今回から東北地方に於ける津波の研究論文を紐解いてみたいと思います。
しかし、ただその全文を掲載したり、リンクを貼って終わるようなやり方ではなく、それら複数の論文の趣旨を先ず咀嚼した上で、分かり難い個別の論文として解説するのではなく、分り易いことばに置き換えて説明を加えたいと思っています。
なぜなら、ここから見えてくる不条理は原子力行政全般を覆う不条理のほんの一部でしかありませんし、そのことを先ず知り理解し考えることから始め、ひいてはこの国を覆う不条理にまで目を向け、それぞれが自分で考え自分にできることから実行することを真剣に考えていただきたいと思うからです。

可能な限り分り易く書いていこうと思いますが、ここでの論考は福島第一原発に於ける想定津波の高さは完全な過誤であったこと、その結論に向かい頭の中に描いているチャートに沿って書いていこうと思います。
そして、一回分は1200字(原稿用紙3枚)程度に納めていこうと思っています。

さて、平安時代の貞観(じょうがん)11年(869年)に三陸を襲った貞観津波という巨大津波があります。
この津波は1990年に箕浦幸治・現東北大学教授らにより貞観津波の堆積物が発見されたことで明らかになりました。
その津波は平安時代に編纂された歴史書 『日本三代実録』 の記録に登場し、光を伴った鳴動と共に大地震が起き、次いで押し寄せた津波は平野の奥深くまで侵入し陸奥国府の城下まで達し、千人を越す犠牲者が出たことが書かれていますが、その歴史的記録にあった津波を地質学的に実証した点で、箕浦教授らの発見は正に画期的なものでした。

貞観津波で検索をしてみると、箕浦教授の 『津波災害は繰り返す』 と、それを元のしたブログなどが見つかると思います。
筆者のこれからの論考もこの貞観津波の解析を軸足に置いて進めていこうと考えています。
そろそろ1200字になります。
今回は東北地方は大津波の被害を繰り返し受けてきた歴史があること、そしてその中の一つ貞観津波のことを覚えてください。
そしてそれは、その後の地震とそれに伴う津波予知、ひいてはその予防と対策、それらへの貴重な示唆に富んでいたことを頭に入れてください。
by finches | 2011-04-02 05:33 | 無題


<< 634■■ 津波想定高さ 03... 632■■ 津波想定高さ 01... >>