635■■ 津波想定高さ 04 -巨大津波の警鐘
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Research for tsunami hazards assessment-Historical data to estimate the tsunami source





箕浦東北大教授の『貞観津波と低剛性地殻破壊による巨大地震津波再来周期(2001~2002年)』によって、凡そ1100年の間隔で仙台平野に巨大津波が襲来している可能性が指摘されました。
続いて同教授は平成17,18,19年度の研究成果報告書『貞観津波による津波被害の定量的評価(2005~2007年)』を発表されました。

時期を同じくして文部科学省研究開発局の委託により、東北大学大学院理学研究科,東京大学地震研究所,産業技術総合研究所の協同による『宮城県沖地震における重点的調査観測』が実施され、こちらは平成17,18,19,20,21年度の五ヵ年に亘って行われました。

後者の二つは基本的な部分では貞観津波における浸水域の特定や津波の遡上高さ、破壊プレートの大きさや地震規模の解明など、時期を同じくして内容がリンクした研究のようにも見え、東北大学大学院理学研究科がその中心研究機関となってはいますが、箕浦東北大教授の名前はその中にはなく、全く独立した取り組みでありリンクした研究ではないようです。

その後産業技術総合研究所は、これらの研究で得られた成果を元に『仙台平野の堆積物に記録された歴史時代の巨大津波-1611年慶長津波と869年貞観津波の浸水域-(2006年)』と、『石巻・仙台平野における869年貞観津波の数値シミュレーション(2008年)』という二つの論文を発表しています。

もう一つ論文ではありませんが、2007年に開催された『地震・津波に関する原子力防災と一般防災に関するIAEA/JNES/NIEDセミナー』において、東北電力の橋本康男氏による『女川原子力発電所における津波に対する安全評価と防災対策』という大変興味深いテーマでの発表がされています。
 [筆者注記] IAEA:国際原子力機関、JNES:原子力安全基盤機関、NIED:防災科学技術研究所

このセミナーでは『Research for tsunami hazards assessment-Historical data to estimate the tsunami source』と題する今村文彦東北大学教授の発表も行われていますが、箕浦東北大教授の『貞観津波による津波被害の定量的評価(2005~2007年)』における理工学的解析を共同で行ったのがこの今村文彦東北大教授というのも大変興味深いところです。

筆者も箕浦幸治東北大教授の『津波災害は繰り返す(2001年)』と、東北電力・橋本康男氏の『女川原子力発電所における津波に対する安全評価と防災対策(2007年)』の存在はネットで知りそれらを手に入れていました。
ところが、入手したこれらの資料からはその発表された年と場所、更にはその目的が分からず、これらの中だけで結論付けられている一部の結果だけを取り上げることには躊躇と抵抗があり、その元となった文献,調査資料,論文などを探してきました。
現在、津波の想定高さにおいての報道や、週刊誌などで取り上げられている出典元の資料は概ねこれら二つだと思います。

もう1200字を越えてしまいました。
今回は貞観津波の研究論文が小さなものを除いてこれだけ存在していたという事実と、具体的に原子力発電所における津波に対する安全評価が東北電力によってなされていたという事実を頭に入れてください。
by finches | 2011-04-04 06:28 | 無題


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