636■■ 津波想定高さ 05 -巨大津波の履歴
b0125465_1915725.jpg[Photograph source]
Wikipedia/File:2011Sendai-NOAA-TravelTime-Ttvulhvpd9-06.jpg
[NOAAによる東日本大震災津波の予想到達時間試算]





地層に残る先史時代の二回の巨大津波の痕跡と、歴史時代の最も古い巨大津波である869年貞観津波の痕跡から、巨大津波の発生周期が凡そ1100年であることが解明されました。
文献に残る最も古い津波はこの貞観津波で、この津波が有史以後記録として残る最大規模の津波とされ、それから数えると今年は1142年目に当たり、いつ巨大津波が襲来しても不思議ではない正に秒読みに入っていたことが分り、そしてその警鐘は10年前には既に鳴らされていました。

ここで869年貞観津波以後、近年までに東北太平洋岸を襲った津波について少し触れておきます。
江戸時代になると津波の記録が多く残されるようになり、それによると1611年慶長津波が最初で規模も最も大きく、その慶長津波を含めて江戸時代には10回の津波の記録が残されています。
それらの発生周期を数字で追ってみると次のようになります。

 [江戸時代] 1611年慶長津波→66年→40年→46年→46年→30年→42年→8年→13年→5年(1861年文久津波)
 [明治時代] 1861年文久津波→33年→2年→1年(1897年明治津波)
 [昭和時代] 1897年明治津波→36年→19年→16年(1968年昭和津波)
 [平成時代] 1968年昭和津波→43年(2011年東日本大震災津波)

こうやって見ると2011年という年は約40年周期で繰り返される津波と、約1100年周期で繰り返される巨大津波の発生周期がほぼ一致してる年でもあることが分ります。

これらの中から取り分け大きな津波を整理すると次のようになります。
  869年 貞観津波
 1611年 慶長津波
 1896年 明治三陸津波 (大船渡で38.2m、仙台平野で5m以上)
 1933年 昭和三陸津波 (大船渡で28m超、仙台平野で3.9m)
 2011年 東日本大震災津波

 [筆者注記] 貞観津波と慶長津波の津波高さをここで書いていないのは、箕浦東北大教授の『貞観津波による津波被害の定量的評価(2005~2007年)』と、東北電力・橋本泰男氏の『女川原子力発電所における津波に対する安全評価と防災対策』 に掲げられている数字が大きく懸け離れており、また、後者は産業技術総合研究所の『仙台平野の堆積物に記録された歴史時代の巨大津波-1611年慶長津波と869年貞観津波の浸水域-(2006年)』 にある数字とも不合していないからです。

869年貞観津波や1611年慶長津波という二つの巨大津波の値を抜きにして、1896年明治三陸津波と1933年昭和三陸津波だけの値を取ってみても、尚且つリアス式海岸で津波エネルギーが増幅される三陸海岸での値を考慮しないことにしても、5m以上の津波高さは想定範囲内であることが分ります。

そろそろ1200字になります。
今回は例え約1100年周期で襲って来る巨大津波の数値的解析がなかったとしても、歴史的記録だけで5m以上の津波は容易に予想出来たということを頭に入れてください。
by finches | 2011-04-05 05:04 | 無題


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