■■ 福島第一原子力発電所における津波想定高さの考察 13~15
13.第32回議事録

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津波災害は繰り返す / 箕浦幸治



2009年7月13日の第33回合同会議議事録を掲載します。
第32回合同会議議事録において、はじめて産総研の岡村行信氏(筆者注 産総研:産業技術総合研究所)により指摘された869年貞観地震とその地震の直後に仙台平野を襲った巨大津波、東北沿岸では巨大津波が歴史的に繰り返されてきたという事実、そして近く予想される同規模の巨大津波のリスクへの共通の認識、巨大津波襲来に対する備えと対応の検討、それに対する東京電力の考え方、そしてそれらに加え更に踏み込んだ岡村氏の巨大津波への危惧と指摘が続いたことが議事録に残されています。

議事録は産総研の岡村氏の最初の質問から始まっていますが、それは東京電力(西村)による3~7頁に亘る説明に対するものです。
議事録は岡村氏の発言を中心にまとめた関係上、前後関係の分り難い部分があれば、下にリンクが貼ってありますので議事録本文でお確かめください。
斜めに読み流していただいても構いませんが、産総研の岡村氏が執拗に巨大津波の危険性と、そのことについての審議を継続するように訴えておられることが核心部分だと思います。

また、最後の部分で敢えて東北電力(橋本)の説明に触れたのは、拙稿で以前に取り上げた『女川原子力発電所における津波に対する安全評価と防災対策(2007年)』を発表されたのがこの東北電力の橋本泰男氏であるからです。
東北電力の橋本氏は産総研の岡村氏が指摘された869年貞観津波について他の出席者の誰よりも熟知されていた訳ですが、議事録に産総研の岡村氏の指摘に言及する発言が見当たらないのが残念でなりません。
恐らく説明者の立場、質問を受ける立場で出席されていた為に、意見を述べることもできず、産総研の岡村氏と東京電力や原子力安全・保安院との議論を歯痒い思いで傍聴されていたのではないかと推察します。

さて、前稿に続き上の写真は箕浦東北大学教授の『津波災害は繰り返す』の中に描かれている869年貞観津波のイラストですが、二つの赤丸は上が女川原子力発電所で下が福島第一原子力発電所の位置を示しています。
前者は津波を重視し後者はそれを軽視したとしたなら、それは津波の想定高さ以前の何処か認識の甘さ、否、明らかな間違いが根底にあったと考えます。

下に議事録本文へのリンクを貼っておきますが、本稿で取り上げたのは7,13,14,29頁となります。
前稿に同じく最初に議事録にある発言者についての補足をしておきます。
   ○岡村委員
    岡村行信:独立行政法人・産業技術総合研究所,活断層・地震研究センター長
   ○東京電力(西村)
    西村功:東京電力、東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科教授
   ○名倉安全審査官
    名倉繁樹:原子力安全・保安院,原子力発電安全審査課
   ○纐纈主査
    纐纈一起:東京大学地震研究所教授
   ○東北電力(橋本)
    橋本康男: 東北電力

総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会,耐震・構造設計小委員会,地震・津波、地震・地盤合同WG(第33回)議事録
    日時:2009年7月13日(月)14:00~16:30
    場所:経済産業省別館10階 各省庁共用1028号会議室
    →http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/107/3/033/gijiroku33.pdf

(前略)
○岡村委員
貞観ですけれども、確かに地震動をどういうふうに推定するかというのは難しいとは思うんですが、ここでは佐竹ほか(2008)の断層モデルをそのまま、そこから地震動を計算されているんですが、そもそもこういう地震って何なんだということを今の知見で考えると、やはり連動型地震と言われているものだろうと考えるのが妥当だと思うんですね。 それは、17世紀ですか、千島海溝で起こったとか、2004年のスマトラ沖地震がそういうものに相当すると考えているわけですけれども、そういう地震というものは、要するにもう少し短い間隔で普通に起こっている震源域が、複数の震源域が同時に破壊する、そういうことで起こるのだろうと言われているわけですね。

そういうふうに考えると、やはりここは、塩屋崎沖地震というものが1つある。 もう少し北に行くと宮城県沖地震というものもある。 そこをまたぐようなところでこの貞観の地震というものは考えざるを得ない。 津波の情報だけではですね。 そうすると、やはり今わかっている震源域のところは連動の範囲に含まれるのではないかと考えるのが、今の知識では妥当かなと私は思うんですよね。 だから、これだとちょっと外れますよね。塩屋崎沖地震よりちょっと遠いところに貞観の震源モデルを考えて、それとは別のものだというイメージで今、話をされているんですけれども、別にしていいとはなかなか考えにくいのではないかと私は思います。

○纐纈主査
いかがでしょうか。

○東京電力(西村)
御指摘ありがとうございました。 それぞれの地震をどのように同時活動させるかということは、なかなか難しいところだと我々思っているところですが、まずここで申し上げたいのは、塩屋崎沖自体が、それぞればらばらだったものを、同時活動を見るということを今回やっているということ、それから、貞観の地震も、波源モデルということもありますので、本来、もう少しばらばらしていたのかもしれないということはあるかと思いますが、仮にこういったものを考えた場合、目いっぱい見たとしてもということで今回ちょっと見てみたということです。

御指摘のように、例えば今回の貞観の地震と塩屋崎沖をつなげるかどうかということについては、ちょっと我々もそこまでできるかどうかというところがまだ十分な情報がないのかなと思いますが、そうは申しましても、今回ごらんいただきましたように、まず、こういったそれぞれの地震を考えても、Ssのレベルから考えますと、まだ余裕があるということを踏まえてこのようにさせていただいていると考えています。
ただ、まとめの中でも申し上げましたように、貞観の地震についてはまだ情報を収集する必要があると認識しておりますので、引き続き検討は進めてまいりたいと思ってございます。
(後略)

(前略)
○岡村委員
最初の中間報告の案で、また貞観の話ですけれども、どちらも23ページに貞観のことが書いてあって、ここでは、新たな知見の波源モデルを震源断層と仮定した上で地震動を計算したと。それで、小さいということしか書かれていないんですね。

先ほど私が申し上げたのは、それでは足りないのではないですかということを申し上げたつもりで、要するに塩屋崎沖地震、それも連動させているということですけれども、貞観はそれ全体を含むものである可能性があるということなので、それで十分とは思っていないというつもりで言ったんです。 それは、東京電力さんも、それでまた検討するとお答えになったと私は理解したので、そのことを少し何か検討していただきたいと思います。

○名倉安全審査官
済みません、逆にお聴きしたいのは、これは、今さまざまな研究機関において、こういった知見をいろいろと、調査結果が今どんどん得られているような状況でありまして、今後、いろいろな知見が得られていく中で、その時々に応じた対応をすべきということであるのか、それとも、今の中間報告における検討の中でそれをやるべきとおっしゃられているのか、そこのところはどちらということで理解すればよろしいでしょうか。

○岡村委員
この中間報告の性格をどう考えるかだと思うんですね。 ただ、現状でわかっていることは、先ほど申し上げたことなわけですね。 そこからどういう地震動が考えられるかということは、まだ研究としては全く行われていない話ではありますけれども、ただ、そういう海溝型地震に関する知見というものを考えると、それなりのものを考えるべきではないかというのが私の意見です。 だから、それをここに入れていただけるのかどうかということだと思います。

だから、地震動に関しては、よくわかっていないということもありますから、今後検討するということでもいいのかもしれないですけれども、ただ、実際問題として、この貞観の時期の地震動を幾ら研究したって、私は、これ以上精度よく推定する方法はほとんどないと思うんですね。
残っているのは津波堆積物ですから、津波の波源域をある程度拘束する情報はもう少し精度が上がるかもしれないですが、どのぐらいの地震動だったかというのは、古文書か何かが出てこないと推定しようがないとは思うんですね。 そういう意味では、先延ばしにしても余り進歩はないのかとは思うんですが。

○名倉安全審査官
今回、先ほど東京電力から紹介した資料にもありましたけれども、佐竹ほか(2008)の中で、当然、今後の津波堆積物の評価、それは三陸の方もありましたが、それから、多分、南の方も今後やられる必要があると思いますが、そういったものによって、位置的なものにつきましては大分動く可能性があるということもありますので、そこら辺の関係を議論するためのデータとして、今後得られる部分がいろいろありますので、そういった意味では、今、知見として調査している部分も含めた形でやられた方が信頼性としては上がると私は思っていますので、そういう意味では、その時々に応じた知見ということで、今後、適切な対応がなされることが必要だと思います。 その旨、評価書の方に記載させていただきたいと思います。
(後略)

(前略)
○岡村委員
このモデルは、津波堆積物の分布域まで津波が浸水するというか、それを説明するためのモデルなんですよ。 要するに、どこにおいても滑り量とかいろいろファクターを変えていけば、ある程度のものはできるわけですよね。 ですから、福島沖を含むようなモデルで、例えばもう少し幅を狭くするとか、沖側の部分をもう少し狭くするとかというような形で延ばせば、多分、津波の浸水域を合わせることはできると思うんですよね。 このモデルをつくるときにはいろいろなファクターがありますから。

○纐纈主査
多分おっしゃるとおりだと思いますが、それだと、常識的なスケーリングとかなり離れてしまうので、地震動のモデルとしてはあり得ないものになってしまうのではないかと思いますけれども。

○岡村委員
それは、そこまで断言できるほど解析されているのかわからないですが、どうしてそういうふうに思われるわけでしょうか。

○纐纈主査
断層面サイズが大きくなれば、滑り量もそれに比例して当然大きくなりますから。

○岡村委員
いやそれほど、このモデルも、例えば大体同じ範囲で、5m、7m、10mといういろいろな計算をしているわけですよね。 そのぐらいの差でかなり変わってくるということですから、私は、一応、モデルはみんな議論しましたけれども、少しずらして震源域を含むような形にすること自体はできるのではないかと思います。 それは、やってみないとわからないですが。

○纐纈主査
御本人がそうおっしゃっているのでは、そのとおりかもしれません。

○名倉安全審査官
事務局からよろしいですか。
今回の中間報告におきましては、東京電力の方は津波の評価をまだ提出しておりません。 そういうこともありまして、本報告で津波のところもやってくるはずですし、その中で、こういった知見も踏まえた場合の評価といったものが一体どういうふうにできるのか。 その場合に、東京電力が設定した津波の解析条件ではありますけれども、そういったものに対して、津波堆積物のところ、要は得られているところの結果、そこら辺、ちょっと検討できるかどうかということはありますが、少しそういったもの、津波の波源を設定するときの考え方等との整合性もとった上で、地震動評価上何か影響があるのかという位置付けの検討は、少し必要なのかなと思っております。
(後略)

[筆者:注記]
15ページより『女川原子力発電所敷地周辺の地質・地質構造及び基準地震動の策定について』の説明が東北電力(橋本)により行われ、その中で貞観地震に触れた次の質問が岡村氏よりなされます。

○岡村委員
あともう一点、またしつこいようですけれども、貞観ですが、貞観をどう扱うかというのは、やはりここも先ほどの福島と同じような問題があると思いますので、そこに全く触れないというのはちょっとどうかと思うんですけれども。
(後略)



14.ウォールストリートジャーナル

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http://www.houseoffoust.com/fukushima/model.html



想定外の巨大地震の、想定外の巨大津波による、想定外の津波高さのための、想定外の原発事故、ならばその想定値とは一体幾らだったのかを解明したくなり論考を重ねています。
しかし、もう一つ忘れてはならないことがあり、本稿ではそれを取り上げます。
それは、原子炉のオーバーヒートを防止する為に復水器で熱交換(冷却)を行う為の海水を汲み上げるポンプの設置レベルをどうしてあのような低い場所にしていたのか、非常用電源はどうして海面レベルとほぼ同じ地下1階に置かれていたのか、何重にも用意されていたバックアップの全てがどうして同時にダウンしたのかといったことです。

以前に3月23日のワシントンポストに掲載された『Japanese nuclear plant’s safety analysts brushed off risk of tsunami (日本の原子力プラントの安全アナリスト、津波のリスクを無視)』 を取り上げましたが、同じ3月23日のウォールストリートジャーナルには 『Japan Ignored Warning of Nuclear Vulnerability (日本は原子炉の脆弱性への警告を無視)』 という記事が掲載されています。

それによると、日本では数ヶ月前から原子炉の新しい冷却技術についての協議が行われていて、それは福島第一原発を襲った非常用電源の全てが失われたことによる事故を、軽減もしくは阻止することができたかも知れないとした上で、しかしながら日本の原子力当局と東京電力は現行技術で臨む方針を変えず、既存原子炉の脆弱性を無視する選択を行っていたというものです。

下にこの記事へのリンクを貼っておきますので、正確にはそちらをお確かめください。
Japan Ignored Warning of Nuclear Vulnerability   
   By THE WALL STREET JOURNAL
    By Norihiko Shirouzu and Peter Landers,Wednesday,March 23


   →http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703410604576216481092750122.html

今や原子炉は第7世代のESBWRの開発が進められています。
ESBWRはEconomic Simplified Boiling Water Reactorの頭文字を取ったものです。
このESBWRには上の原子炉の新しい冷却技術が使われていて、非常時の炉内蒸気の凝縮、即ち炉圧上昇の抑制を行う非常用復水器を備えています。

非常用復水器は福島第一原発で採用されていたような何重にも電気的にバックアップを行うような 『動的』 な装置に対して 『静的』 な装置と呼ばれ、例え何重にもバックアップされていてもそのシステム自体が同一であるが為に電源供給が止まった途端に全てがダウンするという今回のような事態から、過剰に電気的なものに頼らずシステム全体の安全を保持するものです。
そして、コストが安くメインテナンスが容易というメリットもあります。

実はこの非常用復水器ですが、福島第一原発の1号炉には使われていて、実際にバックアップ機能が失われた後もこのシステムは機能したことが分っています。
上の写真は左側が福島第一原発1号炉の図面で、中央が原子炉、その下のドーナツ状の二つの円がサプレッションプール、左上にある2つの円が非常用復水器です。
写真の右側は福島第一原発1号炉と同じMARK1型という原子炉の模型で、足元のドーナツ状のものがサプレッションプールです。
 [筆者注記:青く塗った冷却水は筆者による加筆]

福島第一原発では原子炉を冷却するための水を確保するために地下水の試掘を行った記録が残っています。
現在福島第一原発の冷却水は坂下ダムからパイプによって送水されています。
1号炉の運転開始が1971年、坂下ダムの完成が1973年、2号炉の運転開始が1974年、これだけを見ても冷却方法と冷却水確保の歴史を読み取ることができます。
そして、もう一つのことをここから読み取ることができます。

それは、2号機以降は潤沢に冷却水が確保されたこと、そして既に1号機が完成していることで互いの発電による電源のバックアップが可能になったこと、原子炉の国産化への移行に際しGE (1号炉の製造メーカー) とは一線を画するより高度な国産技術による独自の安全対策の構築、これらが1号炉に備わっていた 『静的』 な非常用復水器の設計コンセプトから離れ、独自の何重にも巡らされた電気に依存した同一バックアップシステムを構築し、それ故に 『新しく古い技術』 の導入を軽視したのだと思います。

もし、この1号機の非常用復水器が原子炉の暴発を食い止めていたらと思います。
しかし、残念ながら短い時間の非常事態をサポートするもので、親や子のシステムも失われた状態で、この孫のようなシステムだけで原子炉の暴走を止めることはできなかったのでしょう。

『Japan Ignored Warning of Nuclear Vulnerability』 では ‘Retrofitting older plants’ について触れられています。
日本はこの ‘Retrofit’ についての考え方が文化国家において最も遅れている国でしょう。
この古いものを改修して使う、古いものを再生する、この大切な文化を日本はもう一度考え直さなければならないことを、この ‘古くて新しい’ 非常用復水器は語っているように思います。



15.地震随伴事象

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東京電力と原子力安全・保安院は津波に対してどのような検討を行い、その結果からどのような数値を導き出し、それをどのように安全・防災計画に反映してきたのかを考えてみようと思います。
因みに津波のことは地震随伴事象と呼ばれ、このキーワードで検索するとより多くの資料に辿り着くことができます。
津波の想定高さを調べていて、泊原発(北海道、北海道電力)、東通原発(青森県、東京+東北電力)、女川原発(宮城県、東北電力)、福島第一及び第二原発(福島県、東京電力)、浜岡原発(静岡県、中部電力)、柏崎刈羽原発(新潟県、東京電力)、これらの中で福島第一及び第二原発だけが津波の検討に係わる資料を見つけることができませんでした。

女川原発に関しては原子炉設置の安全性について書かれた中に津波への記載が見られ、東通原発に関しては原子炉設置許可の申請概要の中に、より具体的にT.P.+6.5mという数字を見ることができます。
そして、このT.P.+6.5mは東通原発の現施設概要にも公表されていて、誰でもその数字をホームページ上で確認することができるようになっています。

さて、次に具体的な津波の想定高さについて見ていこうと思います。
公表されている各原発において基準にしているレベルをそのまま明記します。
相互の基準レベルの取り方に違いはありますが、津波想定高さと敷地地盤面高さとの相対的な高さ関係はそのまま比較することができます。

 東通原子力発電所 (東北電力)
   建屋地盤レベル T.P.+13m
   津波想定レベル T.P.+6.5m
   両者のレベル差 6.5m
   [筆者注記] この発電所は東電と東北電力の施設ですが、東北電力の主要施設として扱いました。

 女川原子力発電所 (東北電力)
   建屋地盤レベル O.P.+14.8m
   津波想定レベル O.P.+9.1m
   両者のレベル差 5.7m
   
 柏崎刈羽原子力発電所 (東京電力)
   建屋地盤レベル T.M.S.L.+5m
   津波想定レベル T.M.S.L.+3.24m
   両者のレベル差 1.76m

 福島第一原子力発電所 (東京電力)
   建屋地盤レベル O.P.+10m (設計図面に記載が見られます)
   津波想定レベル O.P.+5.7m (東電の発表だけでその算出根拠は不明です)
   両者のレベル差 4.3m
   [筆者注記] 東京電力内部資料にはもう一つ別な、3.1mという津波想定レベルが存在しますが、こちらについては改めて取り上げます。

ここでの趣旨は建物地盤レベルと津波想定レベルの差が、東北電力の東通原発では6.5mだから十分だとか、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所では1.76mだから十分ではないとか、そのようなことを言っている訳ではありません。
その判断はそこにある諸々の与条件で判断されるべきものだと思うからです。

問題は津波想定レベルの設定の仕方にあると思います。
現在はアクセスできなくなりましたが、以前は福島第一発電所のホームページの建物概要の中には、過去に起きた最も大きな津波を考慮した対策がなされているという旨の説明がされていました。

上の写真は9mの津波が福島第一原発の直ぐ北に位置する相馬から仙台平野を襲った869年貞観津波の想定域と、東京電力が固執していた塩屋崎沖地震の想定域(下のピンクの部分)とを合成したものです。
赤い丸は上が女川原発、下の二つが福島第一及び第二原発の位置を示しています。
 [筆者注記] 塩屋崎沖地震については第32回議事録、第33回議事録を参照ください。

東京電力(西村)と原子力安全・保安院の名倉安全審査官は、この塩屋崎沖地震だけをあくまでも検討の対象とし、産業技術総合研究所の岡村行信氏は、どうして貞観地震と切り離して考えるのか、この沿岸には塩屋崎沖地震、宮城沖地震、三陸沖地震とそれぞれの地震が繰り返されており、それらを繋ぐ範囲に亘る大地震もまた歴史的には繰り返されており、それがこの貞観地震と考えるべきだと繰り返し主張されていました。

上の写真から塩屋崎沖地震と貞観地震の震源が近いこと、貞観津波を考えるならば福島第一でもその津波の被害は予想可能であったことが分ります。
それは隣接する女川原子力発電所における津波への対応、即ち津波想定高さ9.1mからも明らかではないかと思います。
by finches | 2009-04-02 01:05 | 無題


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