720■■ 猿楽橋
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秋のせいか橋が恋しくなった。
橋を書く時は予めある程度の情報を持って書き始めるのがこれまでだが、この橋についての予備知識は全くない。
予備知識といえば、並木橋から代官山へ向かう山手線に架かる橋で、これまで何度もこの橋を渡り下の道も何回か通ったことがあるくらいだ。

灯具の形からはこの橋が昭和初期に造られたものと思われる。
橋の構造も同じものが幾つも存在する。
だが、この橋で筆者の興味を惹いたのは、橋脚を支持する足元のピンが傾いて基礎に繋がっていることだ。

これは筆者の想像に過ぎないが、橋脚柱のフランジプレートの切り欠き形状とピンの形を見ると、元々このピンは垂直だったのではないかと思えてならない。
それが何らかの理由で基礎を造り替える必要が生じ、既存の基礎を撤去することが出来ない理由から、新設の基礎を既存の基礎に絡めたのではないかと思う。
だから、力を伝える軸線が斜めに移りその為にピンを回転する必要が生まれたのではないかと思えてならない。

山手線にはユニークな橋が幾つもあるが、取り分け原宿・目黒間に土地感がある。
この橋の隣にある歩道橋はよく撮影に使われていて、何の変哲もない橋だがどことなく親しみがあったりする。

ところで、今度この橋に行ったら反対側の橋脚のピンを見てみよう。
山手線を跨いで両方とも基礎を造り直す可能性は少ないだろうから、もしかしたら反対側のピンは地球に垂直に建てられているのではと、勝手な想像を巡らしている...。

by finches | 2011-10-21 04:09 | 空間


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