723■■ 影と音
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正体の分らない影が動きゾッとすることがあるが、障子に映る影は柿の木だと分っているから、それ自体は見えなくても障子越しの借景として楽しめる。
だが、正体の分らない音が屋根から聞こえてくるといのは余り気持ちの良いものではない。

この部屋に守宮と小蜘蛛がいるのは分っている。
前者はモタモタと床を斜めに這い、後者はピョンピョンと床を真直ぐに跳ねる。
両者とも好きではないが、幼い頃から家に居ついて家を守ってくれているのだと聞かされていたせいか、さして悪さもしないせいか、それらに危害を加えようとは思わない。

だが、屋根からの音はそれでも音だけなら我慢もしていたが、小さな液状の糞が時たま落ちていて、それがまた取れないときて、その音の元を絶つ決心をした。
そして、昨日は朝から三つの大型蚊取り線香を書架の上に置き、屋根裏の野地板を燻す作戦に出た。

燻されたせいか時々カサコソと音がしていた。
上を見ながら音の出何処を想像したが、どう考えても隙間は野地板と瓦の間しか存在しない訳で、そこに何かがいるのなら糞の形状から蝙蝠や鼠が頭に浮かんだ。

午後からは蚊取り線香の煙は筆者の鼻の高さまで下りて来て在室困難となり、正体不明の相手に対して駄目押しに更にバルサン型鼠忌避剤をセットして部屋から退避した。

そのせいで今朝は窓を全開にして書いている。
寒い。
完全防寒体制に加え肩掛けと膝掛けを纏い、ストーブも近付けている。

天井からの音は聞こえない。
音の正体は分らないが一先ず昨日の燻し作戦が効を奏したと考えていいだろう。
しかし、床に一つ駄目押しのように残された液状の糞は、また来るからと言わんばかりに思えた...。

by finches | 2011-10-26 05:03 | 無題


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