729■■ 鯖の泳ぐ海

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久し振りに市場に行こうと家を出た。
いつもより早く出たことで、少し回り道をして砂浜が続く海岸に寄り道をした。
そこからは市場のある港も見えた。

朝の海に二人で来たのは随分と前のことのように思えた。
早朝の砂はまだ夜露に湿っていたが、朝の爽やかな空気を全身に吸い込みながら砂浜を歩いた。
潮が引いた海は遠くにあった。

市場では最初に小海老を買った。
続いて鯖と浅蜊と秋刀魚と穴子を買い、最後にもう一度鯖を買った。
秋刀魚は3本、鯖は合わせて4本になった。

最初に買った鯖は青く、太ってはいたが長めに見え、次に買った鯖は金色がかっていて、同じように太ってはいたが若干短めに見えた。
目は共に澄んでいたが、金色がかった方がよりクリッとした良い目をしていた。

鯖はいつもだと三枚に下ろすところを二枚に下ろし、骨の付いた片身は切り分け、塩をして数時間天日に干して水分を抜いた。
骨のない方の片身は勿論〆鯖にした。
そして、金色がかった鯖を買い足して正解だったと思った。

よく切れる出刃で魚を下ろすと分るが、想像した通り身の締まりの違いを刃先で感じた。
酢で〆るとその微妙な違いは更に鮮明になって表れた。
そう、この時期両者とも脂はのっているが、切り口の色にその微妙な差は表れた。

昨日の昼は小海老を使ったかき揚げ丼を、夜は〆鯖と酢橘をギュッと搾って秋刀魚を堪能した。
今朝は軽く干した鯖の切り身と浅蜊の味噌汁が食卓に並ぶだろう。
そんな食卓の情景を思い浮かべながら、四季の変化がある国に生まれたことをつくづく幸せに思った。

市場には何本も鰆が並んでいた。
よし、次は鰆にしようと心の中で思った...。

by finches | 2011-11-02 03:06 | 嗜好


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