740■■ ブラックシリカの試み
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対流式のアラジンだけでは暖まるまでに時間がかかる。
既に部屋の広さからストーブの能力を超えている上に、天井を外したその高さは優に4メートルを越えている。
対流式ストーブは部屋の空気を対流させて暖めるのだから、ストーブの暖気は上に行くばかりで足下はちっとも暖まらない。
だが、青い炎を見ながら、『暖かい、暖かい』と脳に思わせるようにして、これまでは寒さを精神力で紛らわしてきた。

五月にブラックシリカを頂いてから、それをどう使おうかと考えてきたが、ストーブを必要としない時期にはまだ余裕があって、考えるといってもその真剣さには希薄さがあった。
だが、ここにきてその真剣さは、至って真面目で現実味を帯びてきた。

最初は頭が細くなったランプ型のストーブの上に載せられる皿と、その皿をどう支えるかを考えていた。
だが、例え手頃な皿が見つかりそれを上手く支えることができたとしても、その安定性への不安は解消できそうもなかった。

そこで、別の場所で使おうと購入したアラジンと入れ替えることにし、蜜蝋作りに使った皿を使うことを思いついた。
アラジンの天蓋は内側に小さい絞りが施された一段高い部分があり、そこにはケトルを載せても排気穴を塞がないよう更に凸加工がされている。
この部分の径が用意した皿の径にピッタリで、これならアラジンのデザインに抵触することもないと得心した。

筆者の考えは対流式に加え更にアラジンの排気熱を利用するという発想で、車に例えるなら排気を再利用してパワーアップするターボエンジンのイメージと言えばいいだろう。
つまり、アラジンの排気熱でブラックシリカを加熱し、ブラックシリカからの輻射熱を利用した対流式とのダブル効果を狙おうというものだ。

物理法則からすると、灯油が燃えて熱エネルギーに換わった総エネルギー量は変わらない訳だが、そのエネルギーが空気を暖める過程に一工夫することで、逃げるエネルギーを輻射熱に換えることはできる筈だと思っている。

だが、これが思ったほどの効果がない。
だから、筆者は前と同じように、青い炎を見ながら、『前より暖かい、暖かい筈だ』と脳に思わせ、この寒さを精神力で紛らわしている...。

by finches | 2011-11-13 05:59 | 無題


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