741■■ 穭
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穭(ひつじ)とは稲を刈り取った後の刈株から再び芽を出した稲のことだ。
秋十月の季語で、俳句ではもっと若い萌え出たような青々とした芽を言うようだ。
そこには春の芽吹きとは違う趣きを、秋に刈株から再生する稲の若芽に感じ取る日本人の感性を窺うことができる。

もう冬十一月だから穭は俳句では使えないし、俳句ではもっと微妙で繊細な瞬間を捉えているように思う。
だが、穭の意味は刈株から再生した稲のことだから、写真の状態のものでも穭と言える筈だ。
その穭を蛙の目線で撮ってみた。

日曜日、先週に続き蛍の里の掛流しの温泉に出掛けた。
途中寄り道をして柿を買い求め、手打ちの蕎麦の昼食を取り、車を一週間前と同じ場所に置くと、入浴前の軽い運動を兼ねた散策に出掛けた。

蛍が群舞するという川の上流を見てみたくて川沿いに歩いた。
暫く行くとコンクリートの護岸が続く味気ない川から離れ、田んぼの中をくねくねと続く道を歩いた。

穭田はどこまでも続いていた。
柚だろうか、柑橘の畑があった。
立派な大根畑もあった。
山裾には竹の群生が続いていた。
植林されてない山には幾種類もの木が混生していることがその樹形から遠目にも分った。
そして、来た道を振り返ると温泉は遠くに見えた。

源泉掛流しの湯はぬるめで、その湯に30分浸かって外に出た。
白桃ソフトクリームを食べながら今度は温泉街の脇道や裏道を散策した。
すると、表の通りからは分らなかった、なかなか良さそうな宿だと思っていた旅館の裏側が長く伸びていて、湯治場の雰囲気があることなどの発見もあったりした。

30分の入浴の為に往復130キロ、だが、苦にはならない。
帰りは来た道と同じ道を写真を撮りながら走った。
そして、紅葉はまだこれからだが、東京から戻る家人を連れて次の日曜日にはまた来ようと思った...。

by finches | 2011-11-14 04:01 | 無題


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