743■■ 木六竹八塀十郎
b0125465_795071.jpg


用意ができたという連絡を受け昨日注文の竹を確認に出掛けた。
竹を切るに当って周到な指示がなされたと思われる粒揃いの良い青竹だった。
これで10束、総数は120本になる。

半割りを頼んだ竹は倉庫の中にあった。
割竹は割った後一日放置し、捩れなどの癖がでないことを確認するのだそうだ。
こちらは全部で16枚になる。

その竹屋を初めて訪ねたのは七月の暑い盛りだった。
地元の竹屋は全て廃業という今のご時世、ネットで検索してみると東京や京都の店ばかりがヒットした。
そこでその竹の出所を調べてみると九州の地名が挙がった。
どうして九州の竹を東京や京都に注文しなければ手に入らないのか、それでは地元の魚をわざわざ築地や錦で買うようなもので、そんな馬鹿なことがあるものかと熱くなり、県内の竹屋を探し片っ端から電話を掛けた。

結果、数軒の竹屋を見つけることができたが、面白いことにそれらはある地域に偏っていることが分った。
そこで、置いている竹を直に確かめようと訪ねたのがその竹屋だった。
そして、その時言われたのが「今の時期の竹は良くない、稲刈りの頃に伐る竹が良い」、この一言でこの竹屋から求めようと決めたのだから縁とは不思議なものだ。

竹伐りは陰暦八月頃がよいとされていて、今の九月頃に当る。
竹屋が言っていた、九月の終わりの稲刈りの頃と符合する。
そこで、十月になるのを待って電話をすると、もう少し待って十一月の方がもっと良いと言われた。
十一月に入ると再び電話をし、数量を送り見積を依頼し、そして注文から待つこと二週間、これが待ちに待った竹かと、その青々とした粒揃いの竹束に嬉しくなった。

『木六竹八塀十郎』ということばがある。
これは木は陰暦の六月に、竹は八月に伐るのが良く、塀は十月に塗るのが長持ちするということだ。
今の歴に直すと木は七月、竹は九月、塀は十一月となる。

木は現在では細胞の活動が停止する冬に伐るのがよいとされているが、その昔は梅雨の明けた七月が木の皮を剥ぎやすく乾燥も速かったのだろう。
竹は現在もこの時期が伐り旬として変わらない。
土で造る塀もこの時期までに塗って仕上を終えておかないと、凍みて剥がれたり崩れたりするという戒めとして通ずるものがある。

『木六竹八塀十郎』もだが、この度竹屋を探したことでもう一つ勉強したことがある。
それはもう一つ同じ県内に竹の産地があることを知ったことだ。
そこの竹は京都の庭師がわざわざ求める逸品で、次はその産地も訪ねてみたいと思っている。
そして、あらためて捨てたものではないと我が故郷を再発見し、四季のある国日本の懐の深さに感動した...。

by finches | 2011-11-16 03:02 | 時間


<< 744■■ 竹を洗う 742■■ 穭田 >>