745■■ 講演と上映会
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日曜日の朝は二十本一回勝負で昨日に続き竹を洗った後、急いで買物を済ませ、11時7分の電車に乗るために駅に向かった。
駅までは歩いて5分程、ホームから見える海はキラキラと輝き丸い水平線の彼方まで続いていた。

この町で多感な思春期を過ごしたある映画監督の講演と上映会には、車でもバスでもなく電車で行きたかった。
会場の市民会館は電車で5つ目の駅の傍にあった。
久し振りに乗る電車は二両編成のワンマンで、思ったより各駅での乗客の乗り降りもあり活気があった。

開場は12時だったが、30分前にはもぎりに並ぶ長い列ができ、駐車場も車で溢れていた。
その様子を見ながらバス停一つ分を戻り、昔のままのうどん屋に入った。
筆者はラーメンを、家人は肉うどんを注文し、それを待つ間におはぎを一つづつ熱いお茶を飲みながら口に運んだ。

ブラブラ戻ると、もう長い列はなくなっていた。
席はすべて自由席、筆者は2階の桟敷席と決めていた。
会場に入る前に横の文化会館で開かれていた小中学生の作品展を覘いた。
筆者たちのグループ展の時より活気があるのを羨ましく思いながら一巡し、好きな作品は写真に収めた。

予定通り2階の桟敷席から一時間の講演と二時間の映画を堪能した。
1300を越える席もほぼ一杯の盛況振りで、その一人一人がそれぞれの思いで話を聴き映画を観、それらを悠然と抱き包む重文の記念館も、本来の使い方に戻れたことを悦んでいるようだった。

すべてが終わり2階のホワイエに下りると、そこはこれから夕日の色に染まろうとしていて、当時のままの灯りも本来の色を取り戻しつつあった。
外は十一月の風が少し冷たかったが、ゆっくりと駅まで歩き17時5分の上り電車に乗った。
途中、車窓からは工場の煙突の彼方に沈みゆく夕日が見えた。
そして、五つ目の駅で下りると、あの輝いていた海は色のない灰色の十一月の海に変わっていた…。

by finches | 2011-11-21 04:19 | 空間


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