756■■ 椎

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昨年はヒヨドリ撃退用に作ったパチンコの弾として椎の実を集めたものだ。
だが、実際は椎の実は軽くて真直ぐに飛ばず、パチンコ弾としては全く役にたたなかった。

椎の実の記憶を辿ると5歳くらいまで遡る。
当時通っていた保育園の西隣りにはお寺が、東隣りには神社があった。
神社には境内に続く急で長い石段があって、境内には大きな椎が何本もあって秋にはその実を落とした。
ドングリは苦くて食べられないが、椎の実は白く仄かな甘味があって食べることができた。

今年、柿の木の近くには新しい芽が幾つも出ていた。
その中には去年ヒヨドリを狙って届かずに落ちた椎の実からのものもあるかも知れない。
だが、土の上に落ちた椎の実を観察すると、余程の偶然と幸運が重なり土に埋もれる機会に恵まれない限り、そのほとんどは芽を出すこともなく土に帰って行く。

コゲラの木を叩く音、その上を舞うカラスの羽音、そして遠くの風音、それ以外に音はない。
そんな中、自分の足音だけが歩くと聞こえ止まると消える。
その音は一面に落ちた小さな椎の実を歩いては眺め、また歩いては眺める所作と呼応していた...。

by finches | 2011-12-05 06:37 | 時間


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