765■■ 軽い屋根

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テンセグリティはバックミンスター・フラーによって提唱された概念で、ケネス・ネルソンの彫刻に引張材と圧縮材がまるで浮遊するような、均衡したその形態を見ることができる。
テンセグリティは圧縮材が互いに接触しておらず、ピンを介して張力材とのバランスで成立する構造システムで、これをある構造家のことばを借りれば、「非接触で不連続な圧縮材が張力の海に浮かぶ自碇したシステム」となる。
その構造家はテンセグリティをサラブレッド(純種)とするなら、その概念を構造物に反映したテンセグリック構造をハイブリッド(雑種)と位置づけている。

何のことか分らないだろうが、この250字を書くのに筆者は昨朝と今朝、5時間あまり様々な文章を読み漁った。
その中には興味深い論文もいくつか見つけたが、その内容を掻い摘んで書くのは朝からちと荷が重く、そそくさと上の250字に纏めて終わりにした。

写真の屋根はそのテンセグリック構造のあるシステムで構成されたもので、顕微鏡で見た時の細胞と細胞核のように見える一つ一つがこのドームを構成する構造単位となっている。
各細胞の細胞膜に当る部分が圧縮材の鋼パイプ、細胞核に見える中央の点と圧縮材の端点とを繋ぐハイテンションロッドが引張材で、この張力材(引張材)が集まる中央の点で膜屋根を支える構造になっている。

まあ、重い話はこれくらいにして、とにかく軽々とした屋根は気持ちのいいものだとしておこう。
今朝、前稿の予告に反して『軽い屋根』は中止にしようかと思いながら朝食へと外に出た。
すると、この冬初めての粉雪が舞っていた。
寒い筈だ。
だが、それはまるで『軽い』に合わせたような、そんな雪に思えた...。

by finches | 2011-12-16 05:35 | 空間


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