772■■ 東京駅-冬十二月

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東京駅が竣工したのは大正3年(1914年)のことだ。
設計は辰野金吾、900万個の赤煉瓦を使い、駅舎の長さは東京タワーの高さに匹敵し、高さは戦艦大和に近い。

その堅牢さ故に関東大震災にも持ち堪えたが、東京大空襲で3階部分とドームを焼失し、戦後の修復で3階建だった駅舎は2階建に、二つのドームは簡素な八角形の屋根に架け替えられた。
その東京駅を元の形に復元する工事が2007年から開始され、予定では来年には完成する。

その復元なった二つのドームを初めて目にした。
筆者は戦後の人々の原風景として既に定着している東京駅を、わざわざ竣工当時に復元する必要があるのかと内心思っていた。
だが、冬空に凛と聳えるドームを目にし、そのレプリカなどではない本物の復元に思わず息を呑んだ。

ドームに使われている材料も色も、筆者のこれまでの想像を遥かに超えていた。
逆光の中それを見詰めながら、まだシートに覆われた駅舎本体は3階建としてどのように生まれ変わるのだろうと想像した。

東京駅と同じ時代を生きた由緒ある建物が、次々と超高層のガラス建築に変貌する丸の内にあって、目の前で行われている復元という違う次元のベクトルは、筆者の復元への疑問の思いを一気に吹き飛ばしていた...。

by finches | 2011-12-24 05:02 | 時間


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