774■■ 旧東急文化会館跡-冬十二月
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渋谷駅と東急文化会館が竣工したのは昭和29年(1954年)のことだ。
共に建築家・坂倉準三の作品で、前者は改修を繰り返しながらも現存し、後者は2003年に取り壊された。
その旧東急文化会館跡地に来年竣工する渋谷Hikarieを見た。

東急文化会館の取り壊しが発表された時、何とか保存の道はないものかと思った。
だが、渋谷駅前の一等地での再開発は、今や時代の流れ、避けられないことと感じたことも事実だった。。
それはそこで行われようとしている開発計画が優秀な組織により、且つ高レベルで遂行されている予感を、その完成予想写真から感じたからに他ならない。

そこからは、そこに新しく建てられる建築に対する好き嫌いの問題ではなく、自己顕示だけが目に付く渋谷・青山・原宿一帯の建築の中にあって、表で主張する形態やデザインの裏で、洗練された高質の技術の蓄積が、兎角走りがちなデザインの安易な暴発への手綱をギュッと引き締めているように感じられる。

渋谷駅を見ていると、建築家・坂倉準三の思い描いた、都市と街づくりの起点としてのターミナルに対する設計思想が思い起こされる。
そう思うと、建築家・隈研吾による渋谷駅の改修などは、坂倉準三の大きな懐の中での小手先の飯事のようにさえ思えてくる。

渋谷Hikarieの次は地下鉄銀座線高架も美しい橋にして欲しと思った。
渋谷のターミナルとしての秀逸さは、バスとJRと地下鉄銀座線を空中で重層させた都会的なストラクチャーにあり、それを象徴するのがこの高架線なのだから...。

by finches | 2011-12-26 05:40 | 時間


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