776■■ 竹の記憶
b0125465_7561148.jpg


『⭕-冬十二月』というタイトルで2日間の東京滞在を書いている。
見たもの、感じたこと、考えたこと、そして、それらについて書きたいことはまだまだあるが、晦日、正月の情景なども書きたいし、今朝は東京での最後に選んだ場所に一気に飛ぼうと思う。

南青山の閑静な住宅街に一軒のフラッグショップがある。
そこはフラッグショップと言っても、大きな住宅という感じで、数奇屋を完璧に我がものにしている京都の設計者と、それを完璧に仕上げる指折りの職人たちが作り上げた上質な空間が露地の奥に展開している。

初めてそこを訪れてから早いもので十年以上が経った。
六本木通りに面し目印にしていたエスニック料理店は姿を消し、朧げな記憶だけを頼りにその建物を探した。
そこは休みだったが、職人たちが正月を迎える竹垣作りに勤しんでいた。

その中の一人に声をかけ訪問の訳を話すと、快く中に案内してくれた。
筆者が特に見たかったのは2階の天井に組まれた竹だった。
十数年前に筆者を案内してくれた左官職人の、その手仕事が最近よく頭を過ぎり、どうしても再びそれを確かめたかった。

快く案内をしてくれたのは、実際その工事に携わった責任者で、その左官のことで話が弾んだ。
記憶の中にあった天井の竹と、実際に目にしたものは、随分と違ったものだった。
だが、改めてその仕事の手順の説明を聞き、本物が隠し持つ技と美しさに心が震えた。

少ないが今年も良い出会いがあった。
そして、ここでの偶然の出会いも、自分にとっての貴重な財産だと思った...。

by finches | 2011-12-29 04:39 | 時間


<< 777■■ 市場の買物 775■■ 冬を暮らす >>