796■■ 荒れた竹林

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前稿で妖艶と形容した孟宗竹の竹林が終わり、そこからまたしばらく登ると道の両側に真竹の群生が現れた。
南斜面という条件は共通していたが、その形相は随分と違っていた。

竹ばかりを見ていて余り記憶には自信がないが、孟宗竹の方は道の下斜面にその群生はあり、上斜面は竹もあるにはあったが、ほとんどが常緑の雑木だったように思う。
一方、真竹の方は道の両側にその群生はあって、立ち枯れも多く、竹同士がぶつかり合う音も聞こえていた。

これまでに見た竹林から、真竹は人が手入れをしてやらないと、そこら中から生えてきて、それこそ手のつけられない藪になってしまう印象がある。
藪になると下まで光も届かず、風で竹同士がぶつかり合い擦れ合って、仕舞いには写真のように竹林は荒れてくる。

その荒れた竹林を見て、函館本線を札幌に向かう車窓から見た光景と重なった。
それは、雪の重さで倒れたのか、風で倒されたのか、兎に角夥しい数の倒木が美しい景色の中で異様に映ったことだ。
増え過ぎた同一の種を容赦なく淘汰する自然の姿、その冷徹さに畏敬と畏怖さえ覚える。

山は自分の足で登って来る者だけにその真の姿を見せてくれる。
美しい部分、豊かな部分、生まれようとしている部分、終わろうとしている部分、傷ついている部分、病んでいる部分、危険な部分、怖い部分、それらを全て見せてくれる。
そして、山はそれらに気付く繊細さや感性も鍛えてくれる。
妖艶な竹林と荒れた竹林の共存、その両者を内包する小さな里山の自然から、また一つ大きなものを教わったように思う...。

by finches | 2012-01-18 03:59 | 空間


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