807■■ 竹を削る
b0125465_9534727.jpg


竹は同じものが二つとない上に一本一本その癖も異なる。
筋のいい真直ぐなものは少なく、ほとんどが節で向きを変える。
そして、先にいくほど細くなるのは木と同じだが、根元も細くなっているところが木とは異なる。
肉厚は根元が最も厚く次第に薄くなっている。
だから、長い竹であっても目的に応じてその使える部分は自ずと限られてくる。

竹は竹鋸を使えば切るのは易く、割るのも少しこつを摑めば気持ちよくできる。
だが、削るのはそのこつを摑むまでに幾分時間と労力を要する。
上手く削るには材料としての竹を知ることと同時に、削る道具である刃物のことも分らなければ、力が入るばかりで全く思うようには削れない。

慣れた頃には仕事も終るもので、数をこなす中で少しずつそのこつを会得していく。
不思議なもので、ちょっとしたこつさえ摑めば無理な力を入れずに済むようになる。
力が入っている時は無理をしているのだと分れば、力を入れずに削れる向きに刃先を入れてやれば自然と流れるように削れる。
竹細工職人の仕事を見ていても、刃物を添えるだけで竹が割れたり削れたりするように感じるのは、竹の目に正確な角度で刃先を当てているからで、力はほとんど入っていないと思う。

どうやれば楽に出来て時間をかけずに済むか、その答えは意外なところにあった。
それは竹と刃物、その両方をよく観察し知ることにあった。
そして、竹を削るためだけの刃物の形や大きさや刃の角度の訳も分るように思えた...。

by finches | 2012-01-29 04:38 | 無題


<< 808■■ 樋門が伝える歴史 806■■ 硬骨魚 >>