834■■ 初鴬鳴く

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交差点をUターンするか,右に曲がるか,真直ぐ進むかで、その日の昼食のメニューは凡そ決る。
左に曲がることがない訳ではないが、それだとメダカのいるお好み焼き屋に決ってしまう。
だから、お好み焼きが食べたい時は迷わず左に曲がればいいが、後の三つにはそれぞれ複数の選択肢があって、曲る時点ではまだ何を食べるかの特定までには至る必要はない。

快晴の昨日は右に曲り、サンドイッチと午後の紅茶を買って公園の遊歩道に繋がる駐車場に車を入れた。
何面もある芝張りのゲートボールコースと広い野球場やサッカー場、それらすべてを使ってゲートボール大会が行われており、1組5人のグループが何十組も競技を楽しんでいた。
そこで、車から出ると早速芝張りのコースを見下ろす石垣に座って、お年寄り達の真剣なゲームを眺めながらサンドイッチと午後の紅茶を口に運んだ。

食べ終わると草木を観察しながら遊歩道をゆっくりと歩いた。
寒い日と雨の日が繰り返していたせいか、まだ草は芽を出してはいなかったが、木々の芽吹きの準備は着実に進んでいるのを感じた。

遊歩道から潅木が間引かれた林に入ってみた。
積もった落葉はフカフカとして、太陽の光はその落葉まで届いていた。
落葉を踏み締めながら歩いていると、ちょっと違う小鳥の鳴き声が聞こえてきた。
その鳴き声の方へと歩き耳を澄ませると、それは間違いなく鶯の鳴き声だった。

まだ「ホーホケキョ」とは鳴けないでいるものだから直ぐには鶯だと分らなかったが、それは紛れも無く今年初の鶯だった。
他の鳥は練習なしで鳴くことができるのに、どうして鶯だけは鳴く練習をしなければならないのか、いまだに不思議だ。
いつまでも「ホーホケキョ」と鳴けない鶯は多いし、「ケキョケキョ」と繰り返している鶯も多い。

だが、そんな春の始まりの舞台裏は楽しいものだ。
この春の始まりの中にいると、まるで自分の細胞までも新しく生まれ変わるような気がする...。

by finches | 2012-02-25 04:34 | 季節


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