863■■ 芽吹きの瞬間

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東京暮らしの中で季節を最も意識したのは、何と言っても桜が満開になった時だ。
自宅近くは大きな桜の木があったし、遊歩道にも桜はあった。
仕事場の窓からは眼下にいくつも大きな桜が見えたし、時々その下を散歩したりもした。

その桜を見ながら、「あー、また一年が過ぎた」と思ったし、「またこれから新しい一年が始まるんだ」とも思った。
そして、もう一つ、「来年もこの桜が見られるだろうか」とも思った。

去年は桜橋から隅田川を行き交う屋形船を眺め、左岸墨提で桜を見ながら持参した弁当を食べた。
江戸の頃と比べると川面までの距離は随分と遠くなったが、それでも春霞の中で目を細めると頭の中には江戸の風景が浮かんだ。

今年は桜の見方が去年までとは随分と変わった。
枝に小さな芽が出始める様子、それが次第に生長していく様子、慎重に気温の変化を探りながら芽吹きを待つ様子、カプセルが開き濃い桜色に膨らんだ蕾を押し出す様子、そんな桜の開花の過程全てを楽しんでいる。

桜の木は其処彼処にあって、今年はその中で一番の場所でのんびりと静かな花見ができそうだ。
歩いて行こうか、自転車で行こうか、電車で行こうか、バスで行こうか、選択肢が多すぎて迷ってしまう...。

by finches | 2012-04-03 05:08 | 季節


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