871■■ 日曜日の午後-桜と鯉のぼり
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寒かったせいで桜の開花も遅れ、花を散らす雨や風も然程深刻ではなく、今年の桜は春のそよ風にひらひらと花びらが舞い、後を追いかけてきた若葉も散り行く花との程よいバランスを保っている。

そんな一本桜の横で気持ち良さそうに泳ぐ鯉のぼりに思わず車を停めた。
若草は土手の形に忠実に柔らかく優しく蔽い、その土手の上に人家から離れて立てられた鯉のぼりが大空に悠然と泳いでいた。

それは桜を借景にした見事な配置で、子どもの成長を祈る家族の思いがこの大きな鯉のぼりを毎年この場所に立てさせてきたのだろうと、その家の長い歴史を想像した。
そして、子どもたちがこれからどんな場所でどんな生き方をしたとしても、この鯉のぼりの記憶は生涯消えることはないだろうと思った。

道ができ、宅地が造成され、かつて分校しかなかった山奥に今では大きな小学校ができた。
この家の子らもその小学校に通っているのだろう。
だが、まだ大きな道もなかった頃から、ここから鯉のぼりは小さな道を分校へと通う子どもたちを見ていたのだろうと思った。

その光景はそれはそれは美しいものだったろう...。

by finches | 2012-04-17 04:33 | 無題


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