889■■ たかが1.5センチと侮るなかれ
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我が家にはもう随分前に購入したガラストップの正方形の座卓がある。
届いて直ぐにその高さが使い難いことに気付いたが、処分するでもなく使ってきた。

その座卓は26歳の時に初めて責任ある仕事を任されてある地方都市に赴任した際に買ったもので、東京からはIKEAのテーブルとY木材工芸の椅子をその赴任先に送り、デスクライトはyamagiwaから取り寄せた。

IKEAのテーブルは折り畳めるスチール製の赤い脚だけが今も残っていて、大切に使っている。
yamagiwaのデスクライトは紆余曲折、波乱万丈はあったが、今も大切に使っている。

家人が東京に行って留守の間は、その座卓で毎晩一人で食事をするのだが、その高さがどうにも気になって仕方がなくなった。
それはただその高さが気に入らないという主観的な問題ではなく、物を書く、物を読む、物を食べる、それら個々の目的に対しての機能的なところでの問題に、とうとう我慢も限界に達した。

そこで、どのくらいその高さはあるのかと測ってみた。
それは以前筆者が製作を依頼して作らせた座卓より1.5センチ程高かった。

この1.5センチを我慢してきた積年のストレスを思いながらその脚を短く切った。
たかが1.5センチと言うなかれ、新しい座卓は我が暮らしの道具として蘇った、否、生まれ変わったと言っていい。

写真で見ると1.5センチなんてこんなものだ。
だが1.5センチをあなどるなかれ、人の脳は正常な平衡状態を欲しているのだ。
この座卓の前に座る度に、我が脳は「高い、高いぞ、高過ぎるぞ」と、筆者に指令を送っていたのだと今更ながら思った...。

by finches | 2012-05-18 05:53 | 無題


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