907■■ 大間で最初に聴いたこと
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大間の漁師が皆鮪を追いかけているとは思っていなかった。
普段は普通の漁をしている漁師が、時に鮪漁をするのだとも思ってはいなかった。
漠然とだが、一般の漁師と鮪漁師とは違うのだろうと思っていた。

そのことを尋ねてみた。
すると、百人の鮪漁師がいれば、実際に鮪で稼いでいるのは十人くらいだということだった。
だから、ほとんどの漁師は目の前に広がる海から細々と日々の糧を得ている人たちだった。

その多くの漁師が電源開発㈱という天下りの温床に、現金と引き換えに海から糧を得るという人間らしい生活を売り渡してしまった。
一人一千万円を受け取っても、漁協への借金を引かれて手元に渡るのは百万円足らずという漁師も多かったそうだ。
潤ったのも儲かったのも漁協という本来漁民の為の組織だけという皮肉な話だ。

山に入ると舗装された林道から更に枝分かれした舗装道路が目に留まった。
それは送電線のメインテナンスの為のもので、どんなに金を掛けても損をすることがない強い自信と傲慢さがその舗装道路からは感じられた。
金に糸目を付けない原発はあらゆる物に湯水のように金を浪費し、「原子力村」に外科的メスを入れない限り、その傲慢で陰湿な体質はこれからも変わることは決してない。

その現実を大間に見た。
この国の未来に対して強い信条を持った政治家の出現がなれば、戦後連綿と築き上げられたこの不条理を壊すことはできない。
3.11後のこの国を見ていて、只々その不条理の淵を憂う。

前稿のゲートで遮断された道路はかつての生活道路だった。
上の写真はそのゲートの手前に広がる風景だ...。

by finches | 2012-06-17 04:15 | 無題


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