911■■ ヒバの板張
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総檜造りの家はあるが総ヒバ造りの倉庫を見るのは初めてだった。
長い風雪に耐えたヒバの外壁を見て、改めてこれで良いのだと思った。

正しい材料を選び、正しい使い方をすることで、何十年もメインテナンスを必要としないものができるという証拠がここにある。
銀鼠色に経年変化した板壁が逆に枯れた趣を醸しているようにさえ思う。

この板壁には学び考え追い求めなければならないテーマが隠されている。
ECO、エコと唱える前に、この国の気候風土を知り抜いた先人の知恵から学ぶべきものは多い。

ヒバをこれ程身近なものに感じたことはなかった。
癖のある匂い、黄色味を帯びた色、それはその耐久性からある限られた見えない場所に使うか、ある限られた場所に高級材として使うか、そんな印象を強く持っていた。

友人宅で使っていたヒバの三等材、傷だらけになった無塗装の床は使い込んだ光沢を放ち、風呂桶はシットリと落ち着いた色調に変わり狂いも痛みも汚れもなかった。
浴室に敷いた簀子は半年に一回ブラシで洗えば良いそうで、壁の汚れも石鹸さえ使わなければ付かないのだと聞かされた。

その友人がくれたヒバの俎板を大切に使っている。
考えてみればヒバとの出合いはその俎板から既に始まっていた。
そして、何年もかかってその板を挽いた製材所にまで辿り着いた。

そこでこれまでとは違うヒバの魅力を知った。
それは高級材としてではなく、本物のECO材料としての...。

by finches | 2012-06-23 05:56 | 持続


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